太陽熱温水器のタイプ、動向、補助

日本では古くからエコな製品として使用されてきた太陽熱温水器について説明します。

太陽熱温水器の概要

太陽光発電の変換効率は、良くても太陽エネルギーの20%程度です。それに対し太陽熱温水器の変換効率は50%程度と言われています。太陽熱温水器は太陽の熱の約半分を利用できる、という優れた製品です。


その能力は、冬場で水温から25~30℃、夏場で水温から30~35℃だけ上昇したお湯が得られます。集熱器のサイズは数メートル四方と、南側の屋根全面にパネルを並べる太陽光発電よりはかなり少ない面積で済みます。それも、太陽熱利用効率の良さのなせる業です。


太陽熱温水器の歴史は古く、その日本最古のメーカーであるチリウヒーターは1963年に現在の自然循環型太陽熱温水器を発売しているそうです。

太陽熱温水器のタイプ

一体型


集熱器と貯湯槽が一体となったタイプで、集熱器の上部に貯湯槽が接続されます。貯湯槽に給水された水は下部の集熱器へ流れ込み、太陽熱で暖められると比重が軽くなり、貯湯槽へ戻りお湯が蓄えられます。この循環を動力を使わないで行うため、自然循環型太陽熱温水器と呼ばれています。電気などのエネルギーを使わないで太陽の熱だけで貯湯槽にお湯が溜められる優れたエコシステムです。


しかしこのタイプは貯湯槽が屋根の上に突き出した形となるため、屋根の美観を損ねるということで嫌う人もいるようです。


分離型


集熱器と貯湯槽を分離し、貯湯槽は地上に設置するタイプです。このタイプをソーラーシステムと称することもあります。このタイプなら美観の問題はありません。


集熱器と貯湯槽の間は水(お湯)が循環するタイプと、不凍液が循環するタイプがあります。この後者のタイプは、地上の熱交換機中で不凍液の熱が水に移動しお湯になります。

太陽熱温水器の動向

最近の太陽熱温水器は、分離型が主流です。かつ、集熱器に太陽光発電パネルも取り付け、そのシステムの動力を太陽光発電でまかなうタイプもあります。


太陽熱温水器は、1980年のピークには販売台数が約83万台にのぼっていました。しかしその後、強引な訪問販売の影響や太陽光発電の登場で人気ががた落ちとなり、2007年には販売台数5万台まで下がってしました。しかし2007年後半からの原油値上げによる光熱費値上げに伴い太陽熱温水器は見直され始め、2008年夏には前年同月比で売り上げ2倍のメーカーもあるそうです。見直された理由はその他、設置費用が太陽光発電よりは安いこと、一部ですが自治体の補助があること、などがあるようです。

補助

例えば熊本市の太陽熱温水器の2009年度補助金額は、

●「自然循環型太陽熱温水器」の場合
新規の取り付けによる太陽熱温水器の購入費及び据付工事費の5分の1または5万円のいずれか低い方の金額(千円未満切り捨て)
●「強制循環型ソーラーシステム」の場合
新規の取り付けによる強制循環型ソーラーシステムの購入費及び据付工事費の5分の1または10万円のいずれか低い方の金額(千円未満切り捨て)

です。

今後望まれるシステム

このページの先頭で述べたように、太陽光発電の変換効率は良くて20%です。ということは8割は利用されないことになります。それは無駄であり、また太陽熱温水器の効率は高いことから、この2つを組み合わせると太陽光を高度に利用できることになります。さらに、それにエコキュートを組み合わせたシステムの登場が望まれます。太陽熱温水器の出力(お湯)をエコキュートの入力にすれば、夏場はエコキュートの運転が不要のシステムとなり、「エコ度」が高くなることが期待できるからです。

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