住宅


カテゴリー:住宅

太陽光発電とコージェネレーションのマンション

2011年07月22日

SankeiBizサイトの7月19日記事「太陽光+ガスコージェネ+ガス給湯器を組み合わせたマンション発売 大和ハウス」から。

大和ハウス工業は19日、太陽光発電、ガスコージェネレーション(熱電併給)設備、高効率ガス給湯器を組み合わせたエネルギーサービス「エネレクト」を導入した初の分譲マンション「プレミスト稲毛海岸」(千葉市美浜区、地上10階建て・202戸)を23日から発売すると発表した。

東京ガスがマンション内に設置した太陽光発電パネルとガスコージェネ設備で生み出した電力をマンション内の各戸に供給するとともに、発電時の廃熱でつくった予熱水を各戸の給湯器に提供し、少ないガスでお湯を沸かせるようにする仕組み。

また、電力会社からの電力や自治体などからの水は東ガスが一括で安く購入して各戸に提供。一般のマンションと比べ、月平均で光熱費は約5%、二酸化炭素排出量も約8%削減できるという。
...(C)SankeiBiz

大和ハウスが、東京ガスのエネルギーサービス「エネレクト」を導入した分譲マンションを発売する、という話題だ。

このマンションの「エネレクト」については、大和ハウスサイトのエネレクトに詳しい。このページはそのマンションのエネレクトシステムのページだ。

このエネレクト設備は東京ガスがマンション内に自社設備として設置。太陽光発電、ガスコージェネレーション、高性能給湯器(エコジョーズ)の3種類を組み合わせたシステムだ。

システム開発元が東京ガスなので、太陽光パネルはどうも付け足しのように見える。マンション屋上に設置させた太陽光パネルで発電した電力は、マンションの受変電設備に送られ、そこから各戸に配電される。太陽光パネルはマンション屋上のみの設置なので、出力はそれほどは高くはないと予想できる。

このエネレクトのメインはやはりガスコージェネレーションだ。上記サイトにも書いてあるが、ガスコージェネレーションとは、「天然ガスを燃料にしてエンジンで発電し、同時に発生する熱を無駄なく利用するシステム」である。その熱は、このエネレクトの場合は各戸への給湯器へ送られる水を温めるために使用される。各戸は通常の水道水よりは温度の高い水が給湯器へ入るため、水の温度を上げるためのエネルギーは少なくて済む。そしてその給湯器はエコジョーズと言われる、熱効率の良い機器だ。これは廃熱を再利用するため、熱効率が良い。

そしてこのエネレクトは、エネルギーと水の供給元、というか管理元が東京ガスとなるため、各戸は電力会社・水道局と契約する必要はなく、東京ガスとのみ契約という形態となる。

このシステムと、各戸に設置された複層ガラスにより、かなりの省エネが実現できるマンションとなっている。

というわけで、このマンションは環境にやさしいと言える。

ただこのマンションの名称から明らかなように、この建物は海岸に近いところに建っている。地図で見ると、海岸から1Kmくらいか。そして真横は川。大地震時の液状化現象は心配な立地ではある。

太陽光発電のある被災者用住宅

2011年05月09日

東日本大震災の被災者向けの、太陽光発電設備を装備した低価格住宅の話題だ。読売新聞サイトの5月7日記事「工期短縮や太陽光発電、被災者向け低価格住宅」から一部を引用する。

東日本大震災の被災者向けに、大手住宅メーカー各社が低価格住宅を販売する動きが広がっている。

部屋の間取りなどを絞り込んで工期を短縮し、コストを抑えることで通常よりも1~2割安く提供している。被災者支援とともに、需要回復につなげる狙いもある。

大和ハウス工業は2日から、被災者向け住宅の販売を始めた。間取りなどを50パターンに限定し、着工から約2か月で完成できる。販売価格は1143万円(約61平方メートル)~1896万円(約134平方メートル)と通常より2割程度安い。太陽光発電システムを装備する場合、発電出力の2キロ・ワット分(約110万円)は、大和ハウスが負担する。

パナホームは、太陽光発電を標準装備した住宅を発売した。仕様を30パターンに限定し、外壁や床、屋根などをパネル構造にして、工期を約1か月半に短縮した。価格は65平方メートルの平屋住宅で1420万円。
...(C)読売新聞

大和ハウスの被災者向け住宅は、通常より2割程度安い上に、太陽光発電システムを装備すると出力の2キロワット分、約110万円分を大和ハウスが負担する、とのこと。いくら住宅が高価なものであっても、大手住宅メーカー側が110万円分も負担する、とは俄かには信じがたい。大和ハウスの英断に拍手!!。なおこの記事によれば、太陽光発電システムの2キロワットの設置費用は約110万円と大和ハウスは見積もっていることがわかる。割り算をすると、1キロワット当たりの設置費用は55万円だ。ずいぶん価格が下がったものだ。一昨年は太陽光発電設備の1キロワット当たり設置単価は70~80万円だったのだから。

なお記事によれば、パナホームも太陽光発電設備を標準装備した被災者用の住宅を発売した。65平方メートル、つまり約20坪で1420万円とのこと。太陽光発電を装備してこの価格は安いだろう。

大手住宅メーカーのこの戦略は、復興需要対応受注と企業イメージアップの両方の観点からのものと思われる。

リチウムイオン蓄電池と太陽光発電を備えたマンション

2011年04月27日

三菱重工の4月26日ニュースリリース記事「リチウム二次電池が蓄電・非常用として国分寺のエコマンション向けに初採用 節電・停電対策ニーズに応え出力3kW~数千kWのシステムをラインナップ」から。

三菱重工業は、三井不動産レジデンシャル株式会社が東京都国分寺市に建設している環境調和型のエコマンション「パークシティ(Park CITY)国分寺」向けに、リチウム二次電池を使った定置用蓄電池システムを納入する。40kWhの大きな蓄電容量を持ち、屋上に設置された太陽光発電設備で発電される電力を蓄電する一方、停電時にはライフライン維持に威力を発揮する。当社のリチウム二次電池が集合住宅に採用されるのは初めてのことで、納入は9月の予定。
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当社が納入するリチウム二次電池による蓄電設備は、太陽が出ている間につくられた電力を蓄え、夜間の各共用部に供給するだけでなく、万一の災害時などに電力会社からの送電が途絶えても、この蓄電機能により最大40kWh相当の電力を緊急性の高い設備に供給することが可能。同設備は、コンパクトで高い出力を長時間供給できるのが特長で、双方向コンバータはニチコン株式会社製を採用している。
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3月に発生した東日本大震災に伴い関東を中心に長期の電力不足が懸念されるなど、節電や災害対応に向け蓄電設備に対する需要が高まっている。このため、当初は2012年の発売を予定していたが、前倒しで製品化を進めることにした。
...(C)三菱重工業

東京の国分寺に建設中のエコ型マンションに納入される蓄電池の話題だ。

このエコ型マンションは、もちろん太陽光発電設備が屋上に設置されている。これだけの話題なら最近はよく耳にするが、目新しい点は、このマンションにはリチウムイオン蓄電池が装備されている、ということだ。

このリチウムイオン蓄電池は、日中の太陽光発電時に電力を蓄える。そして夜間、マンションの共用部に電力を供給する。さらに災害時の停電時に、緊急性の高い設備に供給することが可能、ということだ。このリチウムイオン蓄電池の蓄電容量は最大40kWhと、大型だ。

震災後の停電対策用製品という位置づけで、今後は、太陽光発電とかなり大容量のリチウムイオン蓄電池を組み合わせた製品が各社から発売されるだろう。これはかなり大きなマーケットとなることが予想される。

太陽光パネル装備の駐車場LED照明

2011年04月22日

SankeiBizサイトの4月20日記事「太陽光だけで充電可能、LIXILが駐車場向けLED照明」から一部を引用する。

INAXやトステムなどが4月に統合して誕生した住設機器・建材大手のLIXIL(リクシル)は20日、太陽光だけで充電可能な駐車場向けのLED(発光ダイオード)照明を5月2日に発売すると発表した。東日本大震災に伴い東北や関東での電力不足が深刻化するなか、外部電源を使わない利点を訴え、販売拡大につなげたい考えだ。

売り出すのは「ポリカソーラーLEDライト」で、太陽電池とLED照明を組み合わせたのが特徴。

カーポートや駐車場の屋根に太陽光を設置することで、車の乗降時の足元の照明灯や入庫時の誘導灯として使用できる。価格はLED照明が3万4545円、太陽光システムが1万7745円。合わせて初年度1000万円の販売を目指している。(C)SankeiBiz

LIXIL(リクシル)という会社を私は知らなかったが、この4月に発足した会社とか。INAX、トステム、新日軽、サンウェーブ、東洋エクステリアという、すべて大きな5つの会社が統合した会社だ。寡占にならないか心配になるくらいだ。

このリクシルから、太陽光だけで充電可能な駐車場向けのLED照明が5月に発売される。この製品の詳細は、リクシルのニュースリリースの薄膜型太陽電池を採用し、安定した発電が可能なカーポート・駐輪場用「ポリカソーラーLEDライト」新発売に詳しい。

施工例、ソーラーパネル、LEDライトについては画像のとおりだ。太陽光パネルからの電力を、この資料では公開されていない蓄電池に充電し、夜間の照明に利用する製品だ。この施工例画像や、上記引用記事中の価格からわかるとおり、これはいわゆるセキュリティライト(太陽光発電利用)よりは高級な製品のようだ。セキュリティライトなら1万円未満で購入できるが設置は購入者が原則。しかし、上記の製品は施工業者に施工を依頼するタイプの製品のようだ。

さて、この太陽光パネル画像のとおり、この太陽光パネルは基盤がポリカーボネート。そして薄膜太陽電池にフッ素樹脂コーティングが施されている。

この薄膜太陽電池はアモルファスシリコン系薄膜型太陽電池とのこと。このタイプは、通常のシリコン結晶型太陽電池に比べると発電効率は低いが、気温の変動や日陰に強い、という特徴があるので、駐車場設置に向いていると言えよう。

ただ、「冬場であっても正午前後の4時間以上パネル全体に直射日光が当たる場所であること」ならびに「パネルの1/10が陰になった場合で発電量は約1/4に、パネルの1/4が陰になると発電量はほぼゼロ」との2点には注意が必要だ。日陰に強いアモルファスシリコン系太陽電池であっても、1/4が日陰では発電できないことに注意したい。

アパートに太陽光発電

2011年04月20日

朝日新聞サイトの4月18日付の住宅新報社記事「既存アパートでも太陽光発電システムを本格導入 レオパレス」から。

レオパレス21 は新築アパートに加えて、既存の自社管理アパートも対象に、太陽光発電システムの設置工事の受注に取り組む。アパートオーナーが費用を負担し、出力 3.6kW~9.9kW程度の太陽光パネルをアパートの屋根に設置してもらう。発電した電気は共用部で利用し、売電する余剰電力の利益は全額アパートオーナーの収益とする。3月には60棟で先行受注しており、今期合計で3000棟(合計出力2万5500kW、年間のCO2削減効果にして7693t- CO2)の受注を見込んでいるという。(C)住宅新報社

レオパレス21は、管理している既存アパートにも太陽光発電システムの設置を推進する。仕組みは次のとおりだ。
(1)設置費用はアパートオーナーの負担。
(2)太陽光発電の出力は3.6kW~9.9kW程度。
(3)太陽光発電による出力はアパートの共用部分で利用し、残りは売電。
(4)売電益はすべてアパートオーナー。

一見良いこと尽くめだが、ちょっと考えればわかるとおり、これではアパートオーナーがレオパレス21を介さずに自分だけで太陽光発電システムを設置するのと何ら変わりない。どころか、手数料を取られる分だけ割高になるかもしれない。

一方、会社側にとってはある程度の営業利益が望める上、管理アパートが太陽光発電システム設置済み、という付加価値も加わり、おいしいビジネスモデルだ。

まあ、アパートオーナーで太陽光発電システムに知識のある割合はかなり少ないと予想されるので、太陽光発電に不案内な層にとっては管理会社が全部段取りしてくれるのでこのシステムのメリットはあるのかもしれない。

2020年までに新築住宅の100%を省エネ住宅に

2010年04月19日

少々古いがこのブログの昨年11月24日記事「オフィスビルの省エネ格付け」で、経済産業省は新築ビルの省エネ度を格付けする評価制度の導入を決定したことを書いた。その記事の引用記事の最後に、経済産業省と国土交通省は2010年度に省エネ基準の規制強化策を決める方針であることが書かれていた。今日はその省エネ基準の話題だ。毎日新聞サイトの4月17日記事”新築建築物:全て「エコ住宅に」 法律義務化も検討--国交・経産省方針”から。

国土交通省と経済産業省は16日、住宅やビルなどすべての新築建築物について、省エネ化を目指すことを表明した。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス削減を後押しするのが狙いで、特に対策の遅れている住宅について、国の省エネ基準を目指す「エコ住宅」の普及拡大を本格化させる。住宅版エコポイント制度の拡充のほか、新築はすべてエコ住宅にすることを法律で義務づける方向で検討を進める。

「新築の住宅建築物の100%の省エネ化を目指す」。直嶋正行経済産業相は16日の閣議後会見で、国交省と協力してエコ住宅の普及に乗り出すことを明言した。
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新築の建築物について、現在は省エネ法で断熱性や空調、換気設備などについて、一定の基準を設けている。だが、基準を満たさなくても原則的に罰則はなく、基準への適合率は新築住宅の1~2割程度にとどまっている。このため、政府はエコ住宅の建築を後押しするための優遇措置や規制を導入・拡大して、100%のエコ住宅化を目指すことにした。

前原誠司国交相が16日の会見で具体策として挙げたのが「住宅版エコポイント制度」の拡充だ。3月8日から申請を受け付け始めた同制度は、新築物件の場合、一定の省エネ基準を満たせば最大30万ポイントが付与され、30万円相当の地域産品や商品券に交換できる。その制度について、ポイントの上積みや対象の拡大、今年末までとされている実施期間の延長などを検討することにした。

また、現在の省エネ法では、太陽光発電や高効率給湯器などは評価の基準に入っていないため、経産省は同法を改正し、新たな基準を作る方針だ。それでも新築住宅の100%エコ住宅化を実現するには不十分なため、直嶋経産相は「省エネ基準への適合を段階的に義務付けていきたい」と、将来的に法律で規制することが必要との見解を示した。

◇設備の負担が課題

新築建築物の100%省エネ化に向けて、最大の課題となるのがコスト負担だ。環境省の試算では、太陽光発電設備や断熱材、高効率給湯器などを新築住宅に導入する場合、300万円近い追加費用が発生する。

国の省エネ基準を上回ることを新築住宅に義務付ければ、新築の際のコスト増を個人が負担しなければならない。政府は補助金や減税などで負担を軽減する方針だが、財源は限られており、多額の支援は難しい。
...(C)毎日新聞

先のブログでは省エネ基準の対象は新築ビルだったが、今日の引用記事では新築ビルのみならず新築住宅も対象だ。経済産業省は国土交通省と協力してエコ住宅の普及に乗り出す。目標は、2020年度までに新築の100%、つまりすべてを省エネ化することだ。

現在の省エネ法では省エネのための基準は設けられているが、罰則はない、つまり義務ではないため、新築の1~2割しか同基準を満たしていないとか。それを、規制を強化し、かつ優遇措置も加え、つまりアメとムチで100%導入を目指す。そのアメの方は早速、国土交通相が公表した。新築で一定の省エネ基準を満たせば、30万ポイント(つまり30万円相当)が付与される現行の住宅エコポイント制度をさらに拡充する、という策だ。

なお今回の引用記事で初めて知ったが、現在の省エネ法では太陽光発電や高性能給湯器は評価対象ではないそうだ。ちょっと信じられない対応の遅さだが、経済産業省はその省エネ法を改正する。また将来は省エネの義務付けの規制強化が必要と考えているそうだ。

規制強化が実施されると、その省エネ基準に適合するための費用が発生する。環境省の試算ではその追加費用は300万円とか。それに対して太陽光発電設置補助金や住宅エコポイントを貰っても、半分にもならない。省エネという錦の御旗の元で数百万円の費用負担を市民に強いてよいものか、議論が必要だろう。

 
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