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ソフトバンクが北海道にメガソーラ

2012年04月04日

ソフトバンクについてはこのブログで数回書いた。今年3月5日記事「ソフトバンクのメガソーラー」では、全国へのメガソーラー建設が発表されてから約1年の雌伏の後に最初のメガソーラー建設が発表された、という話題だった。また3月12日記事「ソフトバンクがモンゴル砂漠で太陽光発電」では、その表題のとおりのメガソーラー建設についての話題だった。さて今日の話題は、同社のお得意なスケールの大きな話だ。共同通信の47サイトの4月4日記事「北海道に国内最大メガソーラー ソフトバンクが建設計画」からその一部を引用する。

ソフトバンクが北海道苫小牧市の東部に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設を計画していることが4日、分かった。出力は少なくとも20万キロワット級になるとみられ、実現すれば国内では最大、世界でも有数の規模になる。
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関係者によると、ソフトバンクの子会社「SBエナジー」(東京)が、北海道電力と買い取りについて協議中という。(C)共同通信

ソフトバンクが北海道苫小牧市に計画しているメガソーラーの出力は、メガもメガ、20万キロワット、つまり200メガワットだ。1メガワットでメガソーラーと言えるので、その規模は大変な規模だ。出力200メガワットというと、国内ではもちろん最大で、世界レベルでもほとんどトップだろう。

ここで、同メガソーラーの売上を試算してみよう。(桁が多いので位を間違えそう。。。)まず年間発電量。出力が20万キロワットだから、通常の地域なら年間発電量は2億キロワット時程度だ。しかし積雪は、同市は北海道としては少ないようだがやはり積雪有りなので、年間発電量をとりあえず1億8000万キロワット時とする。

次に売電単価はまだ決まっていないが、とりあえず1キロワットあたり35円とする。掛け算をすると、年間の売電額はなんと、63億円となる。いやはや、大きいことは巨大な利益を生み出すのだ。

次に、同メガソーラーの建設費を試算してみる。出力が数十キロワットのメガソーラーなら、1キロワットあたりの建設費は今は30万円程度に下がった。厳しいビジネスのソフトバンクだから、これを恐らく26万円程度にたたくだろう。しかし積雪対策が必要なので少しアップのはず。とりあえず、1キロワット当たりの建設単価を28万円とする。すると、出力は20万キロワットだから、建設費はなんと560億円にも達する。しかし売電額から、この建設費は9年弱で元が取れ、10年目からは年に63億円も稼ぐのだ。

いやはや、ビジネスというのは大きければ大きいほど効率良く利益を上げられる、という当たり前の試算結果となった。

佐賀市のメガソーラー

2012年03月28日

朝日新聞サイトの3月23日佐賀版記事「川副にメガソーラー 今秋にも稼働」から一部を引用する。

住宅関連設備などを手がける北九州市の芝浦グループホールディングスが、佐賀市に出力1メガワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。6月をめどに着工し、今秋をめどに稼働する予定。

市総合政策課によると、建設予定地は同市川副町の川副浄水場跡地(約1・7ヘクタール)。浄水場跡地は佐賀東部水道企業団が所有し、15年前に閉鎖されていた。市は約20~30年の期間で土地を貸し出す予定で、借地料は年間約200万円。約3600枚の太陽光パネルを設置する。
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芝浦グループによると、佐賀県が国内の他地域と比べ日照条件が良いことなどから建設予定地として検討を続けてきたという。担当者は「条件に見合った用地が確保でき、佐賀市が太陽光発電事業の実施に協力的なので進出を決めた」としている。同グループは、年間の売電収入見込みを4千~4400万円程度(1メガワット)と試算する。
...(C)朝日新聞

佐賀市にもメガソーラーが建設される。建設するのは、九州で最近、メガソーラー建設を積極的に推進している芝浦グループホールディングスだ。もちろん、太陽光発電ビジネスとしての建設。ビジネスなので、6月着工・今秋稼動と、行動は速い。

このメガソーラーの出力は1メガワット。今となってはメガソーラーとしては非常に小さい。この出力を得るための太陽光パネルは3600枚とのことなので、1枚当たりの出力を計算すると、約0.28キロワットとなる。これは通常の太陽光パネルよりは出力が少し多い。ということは、面積が少し大きな太陽光パネルか、かなり高性能のパネルを使用しているのだろう。(恐らく前者と想像するが。)

このメガソーラーのための土地は1.7ヘクタールで、賃料は年約200万円だ。

一方このメガソーラーの収入は、まだ7月からの売電単価が決まっていないので明確ではないようだが、年4000~4400万円と見込んでいるようだ。年間出力は、引用記事には書かれていないが、出力1メガワット、つまり1000キロワットで日照の良い土地のようなので、とりあえず120万キロワット時、とする。そうすると、同社は売電単価を 33~ 37円/キロワット時と想定していることがわかる。巷のうわさでは売電単価は35円/キロワット時付近とのことなので、この見積り数字は合っているだろう。

そうなると、土地の賃料は、年間収入の4.5~5%となる。安過ぎるという賃料ではないだろう。安過ぎる賃料は市民の資産を不当に企業に還元することになるため計算してみた。

福井県坂井市のメガソーラー

2012年03月26日

福井新聞サイトの3月22日記事「三国に大規模太陽光発電所建設へ 北陸電力9月運転開始目指す」から一部を引用する。

北陸電力が福井県坂井市三国町新保に建設する大規模太陽光発電所(メガソーラー)「三国太陽光発電所」の建設工事の安全祈願式が22日、現地の建設予定地で行われた。北電の大規模な太陽光発電所建設は県内では初めて。26日に着工し、今年9月の運転開始を目指す。

北電によると、福井火力発電所に隣接する約4万平方メートルの敷地に縦1・5メートル、横0・99メートルの太陽光パネル4800枚を設置。発電出力は最大1千キロワット、年間発電量は約100万キロワット時を見込む。一般家庭約250軒分の年間使用電力量を賄え、年に約300トンの二酸化炭素を削減できるという。

また、敷地内には、太陽光発電の仕組みや特徴を紹介する鉄骨平屋建ての施設も建設する。
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北電は、北陸3県の4カ所にメガソーラーを設置する計画。昨春から既に稼働している石川県志賀町と富山市の発電所に続き坂井市は3カ所目となる。来月には、石川県珠洲市でも着工する予定。(C)福井新聞

北陸電力の建設する3番目のメガソーラーの話題だ。このメガソーラーは福井県坂井市三国町に建設される。火力発電所の隣接地で、イメージ図では海に面している。

出力は1000キロワット、つまり1メガワットなので、メガソーラーとしては最小規模ということになる。

太陽光パネルのサイズは、1.5m×0.99mとのことなので、一般的なサイズの太陽光パネルだ。それを4800枚設置して1000キロワットの出力を得る。ということは、太陽光パネル1枚当たりの出力は計算すると、約0.21キロワットとなるので、この太陽光パネルは単結晶シリコン型と思われる。

年間発電量は約100万キロワット時とのことだが、この数字は出力1000キロワットから予想される数字に等しい。ということは、この場所の積雪は少なくはないと思われるので、積雪期以外の日照は意外に多いのかもしれない。

北陸電力は計4箇所、メガソーラーを建設予定で、最後の4番目は石川県珠洲市に来年建設予定、とのことだ。

電力会社はメガソーラーを建設する義務があるようだが、最近話題のメガソーラービジネス会社の出力数十メガワットに比べると大分小規模で、積極的にメガソーラーを建設する意欲に乏しいように感じられる。

太陽光発電の設置促進のための基金

2012年03月23日

中国新聞サイトの3月22日記事「6700戸に太陽光パネル貸与」から一部を引用する。

住宅向け太陽光発電パネルの普及を促すため、広島県が創設する県民参加型の基金の枠組み案がまとまった。県民の出資や金融機関の融資で92億円の基金をつくり、4年間で県内6700戸にパネルを貸与する形で設置。7月からの電力買い取り制度で売電し、設置費用などを返済する仕組みだ。県は早期の事業化を目指す。

環境省によると「100億円に迫る規模の基金で家庭用の太陽光発電を普及させていく取り組みは聞いたことがない」としている。

「おひさま基金」(仮称)に県が10億円を出し、県民や県内の投資家の出資で30億円を調達。金融機関から融資42億円を受ける。残る10億円はパネルの工事業者やメーカーの出資を見込む。運営事業者には県出資法人や民間企業を想定する。

パネル設置は一戸建て住宅が対象で、1戸当たり出力を4キロワットと見込む。設置に住宅所有者の自己負担はなく、電力会社に売電し、パネルの賃借料として毎月一定額を10年間、運営事業者に払う。運営事業者は工事業者などに設置費を支払い、利益が出れば配当を出す。

電力会社の買い取り価格は未定だが、1戸当たりの賃借料を月1万6千円とした場合、住宅所有者は15年程度で利益が出ると試算。県の配当受取額も10年後に11億1千万円を見込めるとし、施策で県民に還元する。

住宅所有者から支払いが滞る事態に備え、徴収業務や債権管理を信販会社に委託。資金を回収できないリスクも信販会社が負う。
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7月施行の再生エネルギー特別措置法は太陽光などで発電した電力の全量買い取りを電力会社に義務化。買い取り費用は電気料金に転嫁される。パネルを設置できない個人や企業に不公平感があるとして、検討会が県民参加型の仕組みを検討していた。(C)中国新聞

広島県が太陽光発電設置の推進のためユニークな仕組みを考えた。大まかに言うと、92億円の基金を創設し、4年間で県内6700戸に太陽光パネルを貸与する。住民は設置費用の負担は無い。環境省によれば、このような100億円規模の基金は例がないそうだ。

概念図がわかりやすい。まず基金は、仮の名称を「おひさま基金」とする。基金総額は92億円だが、その内訳は次のとおりだ。
・県民、投資家:30億円
・金融機関:42億円
・広島県:10億円
・太陽光パネル工事業者/メーカー:10億円

太陽光発電設備を設置する家に設置のための負担はない。そしてその設備の賃借料として、毎月一定額を10年間、基金の運営事業者に支払う。太陽光発電の出力は4キロワットを想定している。毎月の支払い額は未決定だが、月1万6千円程度を見込んでいるようだ。支払うのは10年なので、合計支払額は192万円となる。この金額は、出力4キロワットの太陽光発電システムの価格としては現時点においては最低価格だろう。

設置住宅では売電収入が見込まれる。引用記事では「7月からの電力買い取り制度で売電」とある。これは重要なポイントだ。7月以降も、一般家庭の売電は電力会社の全量買い取りではなく今までどおり余剰分の買い取りと決まっている。それなのに7月からの新制度での買い取りと明記してあるのは、電力会社からみて基金の運営事業者が太陽光発電ビジネス事業者になっており、戸別ではなく全体としての契約になっているから、全量買い取りになる、と見てよいだろう。

全量買い取りであるらしいもうひとつの証拠は、引用記事中の「1戸当たりの賃借料を月1万6千円とした場合、住宅所有者は15年程度で利益が出ると試算」だ。10年間はこの賃料を払い、11年後からは賃料無しで売電収入が入るが、その後たった5年で元(192万円)が取れるとは、余剰電力買い取りではありえない。全量買い取りだから5年で可能なのだろう。

なお引用記事最後によればこの基金は、太陽光発電などの自然エネルギーによる電力買い取り資金は電力料金に上乗せされており、それでは太陽光パネルを設置できない個人・企業に不公平なので考えられた仕組み、とのことだ。そう、このブログでもこの不公平について何回か書いてきた。その不公平を少しでもなくそうとする今回のこの仕組みは評価できるが、まだ不公平は残っている。それは、今回の仕組みは戸建ての家が必要だからだ。アパート、マンション住まいに人はどうするか、別の仕組みが必要だろう。

行田市の太陽光発電設置推進の方法

2012年03月21日

東京新聞の3月19日の埼玉版記事「太陽光発電を割安販売 行田市 市民対象、低利融資も」から一部を引用する。

住宅の太陽光発電を普及させるため、行田市は十九日、市内の設置業者九社や三金融機関と、割安な価格と低金利の融資で市民に提供する協定を結ぶ。市によると、県内では初の試みで「全国的にも珍しいのでは」としている。

市によると、住宅用の太陽光発電装置の設置費は、一般的な発電量四キロワットで二百五十万円程度。高額な初期投資が普及の支障とみて、設置の際に費用がかからない仕組みとして考案した。

設置業者や金融機関にとっても、一件当たりの収益は減るが、行政が宣伝して受注する件数が増えれば、売り上げ増になるとみられる。協定は、行田市民の既存住宅が対象。二百万円前後の特別価格を設定する。

金融機関は最長十年の低金利の固定ローンを設定し、一般的なリフォームの金利4~5%を下回る4%未満にする。設置に伴う返済は、約二百万円の借り入れで、月二万円足らずになるという。

このほか、二〇一〇年度に始めた設置一件当たり八万円の補助も継続する。市は新年度予算に百五十基分の補助費千二百万円を盛り込んでいる。
...(C)東京新聞

埼玉県行田市が太陽光発電の設置促進に考えたアイデアについての記事だ。メインは次の2点。
(1)市内の9設置業者と協定を結び、市民の設置価格を安くする。
(2)市内の3金融機関と協定を結び、市民へ低金利の融資を提供する。

同市によれば、通常は出力4キロワットで250万円程度費用がかかるが、この(1)により200万円程度の特別価格を設定する、とのことだ。対象は、同市の市民の既存住宅が対象となる。新築は対象ではないところが珍しい。

また(2)については、最長10年の低金利固定ローンとし、通常のリフォームの借り入れ金利4~5%を下回る、4%未満に金利を設定する、とのことだ。

この件では、同市は設置業者や金融機関へは補助は無いようだ。しかし市が宣伝してかつ安い価格・金利なので利用者が増え、利益増につながると見込まれる。

同市はこれとは別途、通常の太陽光設置補助金は継続する。この3月までの分は終了したが、4月以降も、今までと同一の、「1件当たり8万円」という補助金を支給する予定で、そのための予算1200万円を計上しているそうだ。自治体の太陽光発電設置補助金は通常は出力1キロワット当たり何万円、というケースがほとんど。同市のように「1件当たり8万円」という基準は珍しい。出力4キロワットなら補助8万円なので、1キロワット当たり2万円の補助という計算になり、この数字は市町村レベルとしては少ない方だがコンナモノといった金額だろう。

結局、予算の不要な上記の2つの方法で太陽光設置を推進する、少々ユニークなやり方と言えよう。

企業のメガソーラー事業開始2例

2012年03月16日

企業のメガソーラー事業への参入の事例を2件紹介する。最初は、毎日新聞サイトの中部版3月9日記事「近鉄:メガソーラー参入 三重の遊休地に2万キロワット施設」から。

近畿日本鉄道は8日、13年度にもメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に参入することを明らかにした。三重県内の遊休地で一般家庭の6000世帯分に相当する出力2万キロワット程度の施設を設置する。同社によると私鉄のメガソーラー参入は初めてという。人口減少で主力の鉄道事業の成長が見込めない中、新たな成長分野として位置づける。

三重県内の約20ヘクタールの遊休地に太陽光パネルを敷設する。総事業費は数十億円を見込む。政府が決める電気の買い取り価格などの条件が固まり次第、詳細を決める。
...(C)毎日新聞

近鉄がメガソーラー事業に参入する。その出力は2万キロワット、つまり20メガワットとなり、メガソーラーとしてかなり大きな規模だ。場所は三重県内の同社遊休地で広さは20ヘクタール。私鉄のメガソーラー事業への参入は初めて、とのことだ。同社は、本業の鉄道事業が人口減少で成長が見込めないこと、そしてこの7月からの全量買い取り制度により太陽光発電事業は安定収入が見込めることから、この事業を開始するとのことだ。本業の将来に希望の持てない場合、安定収入が見込める新事業を開始するのは企業としては当然だろう。またこの事業には広大な土地が必要だが、鉄道会社は膨大な土地を所有している場合が多く、同社の場合もそのようなので、太陽光発電事業には有利と言える。

次の例はシャープ。やはり毎日新聞サイトの東京版3月10日記事「シャープ:発電事業を展開 国内3カ所にメガソーラー」から一部を引用する。

シャープが栃木県と北海道の計3カ所に自社製太陽電池によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置し、発電事業を国内展開することが9日、分かった。同社は、計画段階で止まっている堺工場(堺市堺区)のメガソーラー建設も積極的に進める考え。再生可能エネルギーの全量買い取りを電力会社に義務付ける制度が7月から始まるのを受け、安定的な収益が見込めると判断した。

栃木県矢板市の産業団地にある県有地6・8ヘクタールを借り、出力2000キロワットの発電所を設置。北海道北見市では市有地2ヘクタールを借りて1500キロワット、湧別町では町有地を借り1500キロワットの発電所を建設する。3カ所とも建設時期は未定で、稼働は7月以降になるとみられる。シャープは、メガソーラーによる発電事業をイタリアで展開している。(C)毎日新聞

太陽電池・太陽光パネルの分野では先駆的企業であるシャープは、国内では太陽光発電事業を自ら行うことはして来なかった。しかしこのたび、栃木県と北海道の計3箇所にメガソーラーを設置し発電事業を開始することになった。出力は、栃木県には2メガワット、北海道には1.5メガワット2つだ。計5メガワットになる。もちろん太陽光パネルは自社製を使用する。土地はそれぞれ、地元自治体から借りるとのことだ。実はシャープは経営が急速に危機に瀕している。大赤字が発表されたばかりだ。その会社が、自社のノウハウを生かした、安定収入の見込める事業に乗り出すのは、これまた当然だろう。

ということで、今後はメガソーラーは事業として安定収入が見込めることから、思いがけない企業からも参入が相次ぐことが予想される。

 
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