2012年3月 | 太陽光発電 何でも情報


2012年3月

ソフトバンクのメガソーラー

2012年03月05日

SankeiBizサイトの3月5日記事「ソフトバンクのメガソーラー、第1弾は京都と群馬で」から一部を引用する。

ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを手がけるSBエナジー(東京都港区)は5日、建設を計画している大規模太陽光発電所(メガソーラー)について、京都市と群馬県榛東村で4月に着工すると発表した。さらに徳島県での設置も決まったという。同社のメガソーラー設置が正式に決まったのは初めて。

ともに再生可能エネルギーの全量買取制度が始まる7月の稼働を目指す。

京都市では、同市伏見区淀水垂町と同区淀樋爪町にある埋め立て処分場の最大8万9800平方メートルの敷地に、京セラグループと協力して2100キロワット規模の発電所を2基建設。榛東村では、同村八州高原の村有地の最大4万9300平方メートルの敷地に、シャープなどと協力して2400キロワット規模の発電所を1基建設する。

ソフトバンクは全国十数カ所で計20万キロワット規模のメガソーラー建設を表明。3万キロワット級の発電所の設置が見込める鳥取県米子市の崎津工業団地が候補に挙がっているほか、昨年12月からは北海道帯広市の帯広競馬場に建設した大規模太陽光発電所(メガソーラー)の実験プラントが稼働している。(C)SankeiBiz

ソフトバンクのメガソーラーの建設がやっと決まった。「やっと」と言ったのは、この話題の発表されたのがかなり古いからである。このブログでは、昨年2011年5月23日記事「メガソーラーと電力ビジネス」で、ソフトバンクが全国10箇所に、それぞれ1~5メガワットのメガソーラーを建設する構想を発表した、ということを書いた。が、そこではソフトバンクの意図が純粋ビジネスのみである危惧について少し書いた。その予想は当たり、構想はしりすぼみの感があり、それを指摘した新聞サイト記事を読んだこともある。そしてやっと、本当にやっと、具体的な建設が発表された。

発表されたのは、京都市と群馬県榛東村のメガソーラー。京都市の方は、出力2100キロワット、つまり2.1メガワットの規模の発電所を2基建設するとのことなので、計出力は4.2メガワットとなる。京都なので京セラグループと協力して建設するとのことなので、太陽光パネルは京セラ製だ。

一方、群馬県榛東村は、シャープと共同で2.4メガワットのメガソーラーを1基建設する、とのことだ。

当初の昨年5月の計画公表から最初の建設発表まで随分時間がかかっている。あのソフトバンクが本気でやればこんなに時間がかかるはずは無い。恐らくビジネスとしてどの程度成功するかの検証に時間がかかっていたのではと思う。この間、ソフトバンクは帯広市に実験プラントを作っていた。雪のある帯広市でどの程度の発電が可能か、複数のメーカーの太陽光パネルでテストしていたのだろう。

それにしてもソフトバンクを見ていると、この太陽光発電には携帯・スマートフォンほど熱意が感じられない。ビジネスとして大きな成長が望めない事態になると、他社よりも早く放り出すような気がしてならない。同社の太陽光発電ビジネスには、どうも疑念が先に立ってしまう。

太陽光パネルオーナーと屋根オーナー

2012年03月07日

朝日新聞サイトの3月6日長野版記事”「相乗りくん」1号 太陽光発電を開始”から一部を引用する。

原発に依存しない自然エネルギーの普及に向けて活動する、NPO法人上田市民エネルギー(上田市)は5日、太陽光発電によるモデル事業「相乗りくん」の第1号が、上田市内の民家で発電を開始したと発表した。藤川まゆみ代表は「パネルオーナーの事業参加は全国どこからでも可能。より多くの市民に参加してもらえれば」と話している。
 相乗りくんは、ソーラーパネルを設置したいが自宅などでは難しい人(パネルオーナー)と、屋根を貸す人(屋根オーナー)をつなぐ事業。現在、パネルオーナーは27人。一方、屋根オーナーは上田地域を中心に4軒という。

パネルオーナーは10万円から参加できる。試算では、パネルオーナーは設置費用を負担するが、売電によって約10年で費用を回収できる。一方、屋根オーナーは自宅の屋根を活用。設置12年後以降はパネルが自分のものになり、売電料金を得ることが出来るという。

藤川代表は「日照率の高い上田で自然エネルギーを増やしていきたい。屋根がなくても、少額からでも参加できる。今後、太陽光発電だけでなく、ほかの自然エネルギーにも取り組みたい」と話した。(C)朝日新聞

太陽光発電をやりたいが設置場所の屋根が無い人、また設置費用すべての金額の負担は難しい人が居る。一方、自宅に太陽光発電設備を設置することは考えていないが設置場所の屋根を貸しても良い人が居る。この両者を結びつける仕組みが、今日話題の「相乗りくん」だ。これを発案したのはNPO法人上田市民エネルギー。具体的には、次のような仕組みだ。

パネルオーナー、つまり太陽光パネル設置費用負担者は、10万円から参加できる。この費用は売電により約10年で回収できる。

一方、屋根オーナーは、設置12年後以降は太陽光発電設備一式が自分のものとなり、以降、売電料金を得ることができる。

この仕組みは、屋根オーナー側に有利なように思う。パネルオーナーは売電により約10年でかけた費用を回収できるとあるが、この10年という年数は一律に必ずそうなるわけでは無い。屋根オーナーの電力使用状況によるところが大であるためだ。この7月から太陽光発電による電力すべてが電力会社に買い取られる法律が施行されるが、一般家庭においては7月以降も今までどおり、電力使用分を差し引いた、余剰分電力のみが売電の対象なのだ。

10年で元を取ったとしても、売電益を得られるのは、約1年間ということになる。売電による利益を得られるのは、パネルオーナーが最初の11年、屋根オーナーが12年目以降だからだ。

このシステムはスタートしたばかりだが、現在はパネルオーナーが27人、屋根オーナーが4人、とのことで、利益がより得られそうな屋根オーナーのほうが少ないのは意外だ。またパネルオーナーは小額の人が多いと予想される。

このシステム、若干の懸念もある。それは、故障時の費用負担だ。保障期間は問題ないとして、それ以外の期間の故障や、雹・落雷・地震などの天災による損壊時は、どちらが費用負担するのだろうか。もちろん実際の契約ではこのあたりはきちんと決められているだろうが、そのあたりはかなり知りたい情報だ。

それはともかく、太陽光発電を普及させる新たな仕組みを考えた同NPO法人に拍手!!。

教室の扇風機の電力はすべて太陽光発電

2012年03月09日

毎日新聞サイトの3月8日の北九州版記事「北九州市:小中学校の夏の猛暑対策、試算 扇風機なら太陽光発電で十分 /福岡」から一部を引用する。

北九州市は7日、市立小中学校(計193校)の夏場(7~9月)の猛暑対策をめぐり、扇風機と空調を比較した試算を2月議会の一般質問での答弁で公表した。市教委は「環境への負荷や設置費用から現状では空調設置は困難」との見解を示し、扇風機設置への理解を求めた。

試算によると、すべての普通教室に扇風機を設置した場合、消費電力量は20万キロワットで、学校の太陽光発電設備の発電能力30万キロワットでまかなえるとした。一方、空調整備の場合、消費電力量が714万キロワットになるとした。

教室の猛暑対策を巡って市教委は来年度当初予算案に扇風機設置のモデル事業として7500万円を計上。9割の教室が最上階にある小学6年生と、進学を控えた中学3年生の普通教室計約600教室を対象に1教室あたり4台の扇風機を設置する。その後、温度調査やアンケートなどで効果を検証し、全学年への拡大を判断する方針だ。
...(C)毎日新聞

私の小中学校時代、学校に冷房なんて無かった。暑いときは窓を全開して授業、だったように思う。暖房も充分ではなかった。ところが最近の学校は、冷暖房の空調完備も結構あるようだ。今日話題の北九州市は、「扇風機なら学校の太陽光発電で賄える」と、扇風機の設置を進めるとのことだ。

同市は、環境への負荷や設置費用の観点から冷房の空調設置は無理、との見解だ。特に全教室へ空調設備となると、膨大な費用がかかることは充分に想像が付く。そして同市の小中学校の太陽光発電能力が30万キロワットなので、扇風機ならその電力で全教室に複数代設置してもその消費電力20万キロワットは全てを賄える、とした。

30万キロワットということは300メガワットとなり、これは変だ。北九州市の全部の小中学校で太陽光発電したとしてその出力合計が300メガワットということはありえない。もしそうなら、北九州市は世界でダントツ1位の太陽光発電の町となる。それは違う。上記引用記事の「キロワット」はすべて「キロワット時」の誤りだろう。

もし同市の全小中学校の太陽光発電の「年間の」発電量が30万「キロワット時」とすると、出力はだいたい300キロワットとなる。そんなものだろう。(それでもたいしたものと思う。)すると、上記引用記事中の数字は次のようになるはずだ。

・学校の太陽光発電設備の発電能力: 年間発電量30万キロワット時
・すべての普通教室に扇風機を設置した場合の消費電力量: 年間20万キロワット時
・すべての普通教室に空調設備を設置した場合の消費電力量: 年間714万キロワット時

この数字を見れば、扇風機設置に傾くのは頷ける。同市はとりあえず、小中学校の最上階の600教室に4台ずつ扇風機を設置し、その効果を検証して全教室へ設置を進めるとの方針だ。

電気エネルギーを膨大に消費する現代文明へのちょっとした抵抗という意味も感じられ、この方針には賛成だ。

ソフトバンクがモンゴル砂漠で太陽光発電

2012年03月12日

SankeiBizサイトの3月12日記事「ゴビ砂漠で風力・太陽光発電を ソフトバンクがモンゴル投資会社と合意」から一部を引用する。

ソフトバンクの孫正義社長は12日、モンゴルの投資会社ニューコム社と、ゴビ砂漠での風力・太陽光発電開発に向けた合意文書に調印した。都内で行われた調印式には、来日中のバトボルド首相も立ち会った。開発予定地は24万ヘクタールで山手線の内側面積40個分に当たり、東京都を上回る広さとなる。

砂漠の風況や太陽光の発電能力などに関する調査会社「クリーン・エナジー・アジア」を来月、モンゴルに立ち上げる。出資額や出資比率など「詳細は未定」(孫社長)だが、折半出資を想定しており、提携企業を募っていく方針だ。

孫社長が会長を務める自然エネルギー財団は、日本各地とアジアを海底ケーブルなどでつなぐ送電網「スーパーグリッド構想」を打ち出している。将来的には、モンゴルの風力や太陽光で発電した電力を、韓国電力公社の送電網で日本に送電することを視野に入れている。(C)SankeiBiz

ソフトバンクの太陽光発電については、このブログで少し前、3月5日記事「ソフトバンクのメガソーラー」に書いた。そこでは、日本全国にメガソーラーを建設する構想は大分前に発表されたのに具体的な第1号の建設が発表されたのはこの3月5日であることからソフトバンクの「やる気」を疑うようなニュアンスで書いた。しかしソフトバンクはそんなことはないようだ。太陽光発電がビジネスのネタとばかり、モンゴルに太陽光発電所を建設するそうだ。

建設場所はゴビ砂漠。開発予定地の面積は約25万ヘクタールという途方も無い広さで、引用記事によれば、山手線内側面積の約40個分と、東京都全体面積を上回るそうだ。その敷地に、太陽光発電と風力発電の各設備を建設する。

先ずは砂漠の日照やら風を調査する会社をモンゴルに立ち上げるとのことだ。その資金は、モンゴルの投資会社との折半になる見込みのようだ。

砂漠での太陽光発電での最大の問題は、恐らくほこりに太陽電池表面が覆われてしまい発電能力が低下することだろう。火星の地表での探査機でも同様のことが発生したが強烈な嵐で太陽電池表面の汚れが吹き飛び発電能力が回復した事例を聞いたことがある。砂漠では風が強く吹けば砂嵐となり、弱くなれば砂が太陽電池に積もり、また雨は少ないのでそれを洗い流すことも難しいだろう。砂漠ではこの太陽電池表面の汚れ対策が重要と予想される。

なお発電した電力は、将来的には韓国の送電網と海底ケーブルで結び日本に送電することも視野に入れているとのことで、壮大な計画だ。

シャープがメガソーラー事業を始める

2012年03月14日

時事通信社サイトの3月9日記事「シャープ、メガソーラー建設へ=栃木など国内3カ所」から一部を引用する。

シャープは9日、栃木県など国内3カ所でメガソーラーの建設に乗りだす方針を固めた。今年7月には、再生可能エネルギーにより発電された電力の買い取りを電力会社に義務付ける法律が施行され、一定の収益が見込めると判断した。

栃木県矢板市の工業団地の土地(6.8ヘクタール)に約2000キロワットのメガソーラーを建設する準備を進めている。北海道では北見市と湧別町で約1500キロワットのメガソーラーをそれぞれ計画。既に土地を保有する地元自治体から建設予定地として借り受けることが固まっている。稼働時期については、買い取り価格など詳細が決まり次第、具体的に検討する。

シャープがメガソーラーに乗り出す、というニュースだ。太陽電池、太陽光パネルのメーカーが自らメガソーラーを建設するのは大変珍しい。

栃木県矢板市のその出力は2000キロワット、つまり2メガワットだ。また北海道に1.5メガワットを2つ、建設する予定。土地は自治体から借り受ける、とのことだ。

シャープはかつては世界に冠たる太陽電池・太陽光パネルメーカーだった。しかし今は大変な経営危機だ。昨日、3月13日の株価は終値が509円。500円割れがすぐそこに見え、500円を割ったら一気に急落も予想されている。当然、今年の春闘では定期昇給凍結を会社側は提案した、とのニュースもある。大赤字の原因は、液晶テレビの過大な在庫やら、昨年夏のタイ洪水やら、いろいろあるようだ。

その中で、最も付加価値の付く太陽光発電で、かつ太陽光パネルメーカーであることを生かして、メガソーラー事業を始める、といったところだろう。

ただその経営状況は非常に危ないようで、今後の推移が注目される。太陽光発電の立役者の同社にはなんとか踏ん張ってもらいたい。アジアの海外メーカーに吸収合併され、次世代太陽電池のノウハウを全部持っていかれてしまう、ということは絶対に避けなければならない。

企業のメガソーラー事業開始2例

2012年03月16日

企業のメガソーラー事業への参入の事例を2件紹介する。最初は、毎日新聞サイトの中部版3月9日記事「近鉄:メガソーラー参入 三重の遊休地に2万キロワット施設」から。

近畿日本鉄道は8日、13年度にもメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に参入することを明らかにした。三重県内の遊休地で一般家庭の6000世帯分に相当する出力2万キロワット程度の施設を設置する。同社によると私鉄のメガソーラー参入は初めてという。人口減少で主力の鉄道事業の成長が見込めない中、新たな成長分野として位置づける。

三重県内の約20ヘクタールの遊休地に太陽光パネルを敷設する。総事業費は数十億円を見込む。政府が決める電気の買い取り価格などの条件が固まり次第、詳細を決める。
...(C)毎日新聞

近鉄がメガソーラー事業に参入する。その出力は2万キロワット、つまり20メガワットとなり、メガソーラーとしてかなり大きな規模だ。場所は三重県内の同社遊休地で広さは20ヘクタール。私鉄のメガソーラー事業への参入は初めて、とのことだ。同社は、本業の鉄道事業が人口減少で成長が見込めないこと、そしてこの7月からの全量買い取り制度により太陽光発電事業は安定収入が見込めることから、この事業を開始するとのことだ。本業の将来に希望の持てない場合、安定収入が見込める新事業を開始するのは企業としては当然だろう。またこの事業には広大な土地が必要だが、鉄道会社は膨大な土地を所有している場合が多く、同社の場合もそのようなので、太陽光発電事業には有利と言える。

次の例はシャープ。やはり毎日新聞サイトの東京版3月10日記事「シャープ:発電事業を展開 国内3カ所にメガソーラー」から一部を引用する。

シャープが栃木県と北海道の計3カ所に自社製太陽電池によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置し、発電事業を国内展開することが9日、分かった。同社は、計画段階で止まっている堺工場(堺市堺区)のメガソーラー建設も積極的に進める考え。再生可能エネルギーの全量買い取りを電力会社に義務付ける制度が7月から始まるのを受け、安定的な収益が見込めると判断した。

栃木県矢板市の産業団地にある県有地6・8ヘクタールを借り、出力2000キロワットの発電所を設置。北海道北見市では市有地2ヘクタールを借りて1500キロワット、湧別町では町有地を借り1500キロワットの発電所を建設する。3カ所とも建設時期は未定で、稼働は7月以降になるとみられる。シャープは、メガソーラーによる発電事業をイタリアで展開している。(C)毎日新聞

太陽電池・太陽光パネルの分野では先駆的企業であるシャープは、国内では太陽光発電事業を自ら行うことはして来なかった。しかしこのたび、栃木県と北海道の計3箇所にメガソーラーを設置し発電事業を開始することになった。出力は、栃木県には2メガワット、北海道には1.5メガワット2つだ。計5メガワットになる。もちろん太陽光パネルは自社製を使用する。土地はそれぞれ、地元自治体から借りるとのことだ。実はシャープは経営が急速に危機に瀕している。大赤字が発表されたばかりだ。その会社が、自社のノウハウを生かした、安定収入の見込める事業に乗り出すのは、これまた当然だろう。

ということで、今後はメガソーラーは事業として安定収入が見込めることから、思いがけない企業からも参入が相次ぐことが予想される。

 
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