2012年2月 | 太陽光発電 何でも情報


2012年2月

中国電力の2番目のメガソーラー

2012年02月01日

中国新聞サイトの2月1日記事「宇部でメガソーラー計画」から一部を引用する。

中国電力が大規模太陽光発電設備(メガソーラー)を宇部市西沖の山の火力発電所跡に計画していることが31日、分かった。発電出力は3千キロワットで2014年度中の営業運転開始を目指す。1日に山口県と宇部市に建設方針を説明する予定で、中電では福山市の福山太陽光発電所に続いて2カ所目のメガソーラーとなる。

1993年に運転を停止した新宇部発電所跡地20ヘクタールのうち5ヘクタールを活用。更地に太陽光パネルを置く。瀬戸内海沿いの干拓地で日照量が多く、同社所有の広い土地が確保できる点が考慮された。

福山と同じ規模を想定。一般家庭約900世帯の使用量に相当する年間約340万キロワット時の発電量を見込む。同じ量を火力で発電した場合と比べ、二酸化炭素(CO2)の排出量を年約2千トン削減できるという。

12年度に設計し、13年度に着工する予定。中電は20年度までに出力の合計が計1万キロワットを目標にメガソーラーの建設を進める方針。福山、宇部で計6千キロワットとなり目標達成に向け、さらに候補地の選定を進める。
...(C)中国新聞

中国電力が2つめのメガソーラーを計画している。最初のメガソーラーは、このブログの昨年2011年5月16日記事「中国電力のメガソーラー」に書いた、福山太陽光発電所だ。その出力は3メガワット。

今日話題のメガソーラーは、宇部市に建設を予定している。場所は新宇部発電所跡の一部、5ヘクタールだ。この場所は、瀬戸内海沿いの干拓地で日照量が多いとのことだ。こちらのメガソーラーの出力も、最初の福山と同じ3メガワットだ。記事によれば、年間発電量は340万キロワット時を想定している。通常、出力が3メガワットなら年間発電量は300万キロワット時程度だがそれよりも40万キロワット時も多いということは、記事のとおり日照量が多い、ということだろう。

中部電力は2020年までにメガソーラーの出力合計を1万キロワット、つまり10メガワットを目指している。福山、宇部が各3メガワットで合計6メガワットなので、目標まであと4メガワットということになり、この目標は楽々達成できるはずだ。前回ブログ記事によれば福山太陽光発電所は7メガワットまで出力を増やせるそうなので、ほとんど楽勝だ。ならば、合計10メガワットの上を目指してもらいたい。

傾斜地設可能な太陽光パネルの架台

2012年02月06日

徳島新聞社サイトの2月3日記「太陽光パネル架台試作 (徳島)県内企業、メガソーラー事業化へ」事から一部を引用する。

メガソーラー(大型太陽光発電所)による売電ビジネスの普及を目指すガイアパワー(阿南市)は、県内に多い里山での設置に適した太陽光パネル架台の開発を進めている。狭い急傾斜地でも低コストで効率的に設置できる仕組みを確立し、事業に弾みを付けたい考えだ。

ガイアパワーでは、メガソーラーの建設候補地として主に地域の課題である遊休竹林や耕作放棄地に着目。このため、通常は太陽光パネルが設置しにくい傾斜地でも円滑に設置できるよう、一本の支柱で4枚のパネルを支える構造を考案した。支柱の材料として、造成で伐採した杉やヒノキなども検討する。このほど試作機も製作した。

支柱の高さは1メートルほどに抑え、季節に応じて地域住民が手動で容易にパネルの向きを変えられるほか、風の強い海岸部での設置を考えてパネルに段差を付けて風の通り道をつくった。1基当たり約1キロワットの発電ができ、架台の販売価格は7万円ほどを想定している。

ガイアパワーは、太陽光発電設備の販売やLED照明の開発を手掛ける藤崎電機(阿南市)の100%子会社。電力会社に自然エネルギー電力の買い取りを義務づける「再生可能エネルギー特別措置法」の7月施行をにらみ、企業や市民出資によるメガソーラー・風力発電の整備を提案している。その第1弾として、7月操業を目指し、阿南市内の海岸部の私有地約3ヘクタールでのメガソーラー建設を計画中だ。
...(C)徳島新聞社

7月から施行される再生可能エネルギー特別措置法による電力買取を狙い、全国で太陽光発電ビジネスが開始している。民間企業がメガソーラーの建設を目論むときに問題になるのは、広く平坦な土地の確保だ。それを買い取るのは多大な費用がかかってしまう。もし急峻地に太陽光パネルが設置できるのなら、土地取得代がかなり安くなる。そこで、そのような場所に太陽光パネルを設置できる架台が開発された。

開発したのは、徳島県阿南市のガイアパワーという会社だ。その架台、こんな外観だ。太い支柱で4枚の太陽光パネルをセットできる。その支柱は土中にしっかり埋めて設置すればよい。記事によれば、「1基の架台で約1キロワットの発電ができる」とあるが、まあ4枚で1キロワットになるのは一番高性能の太陽光発電パネルなので、一般的なパネルではもっと出力は低くはなる。

この架台は、向きも手動で変えられるとのこと。また「風の強い海岸部での設置を考えてパネルに段差を付けて風の通り道をつくった」とある。画像を見ると左右の太陽光パネルの位置が少しズレて見えるのは、そのせいだ。なかなか細かいことまで気を遣った製品だ。

この架台の価格は1基約7万円とのこと。意外に安いと思う。このような架台があれば、今まで太陽光発電には適さないと思われていた場所への設置も可能になる。ビジネスの視点に優れた製品と思う。

屋根を貸して太陽光発電

2012年02月08日

東京新聞の2月8日記事「民家の屋根借り 太陽光発電事業 電力買い取り新制度」から一部を引用する。

枝野幸男経済産業相は七日の参院予算委員会で、発電会社が一般民家の屋根を借りて太陽光パネルを設置し、発電事業をできるようにする制度を検討していることを明らかにした。今夏にも始めたい考えだ。再生エネルギー特別措置法に基づき、電力会社が再生エネを固定価格で全量買い取る制度が七月に始まるのに合わせた取り組み。

経産省によると、新制度では、家庭が発電会社への屋根の貸し出しを希望すれば、発電会社の負担で太陽光パネルを設置。発電会社は集めた電力を電力会社に販売し、利益の中から各家庭に屋根の賃料を払う仕組みで、枝野氏は答弁で「こういう形で進められないか研究している」と述べた。
...
新制度なら、パネル設置時の家庭の負担は原則ゼロ。発電会社と各家庭の契約になることから、政府にとっても、設備投資などに税金を投入せずに太陽光発電の普及を期待できる。経産省は「家庭が飲料の自動販売機の設置場所を提供し、メーカーから賃料を受け取るようなイメージ」と説明する。

ただ、発電会社と家庭の権利関係がこじれる可能性もある。政府は問題が起きないよう論点を整理し、再生エネ特措法の政省令や規則でルールを定める方針だ。(C)東京新聞

今年7月の再生エネルギー特別措置法の施行で民間会社の太陽光発電ビジネスへの参入が進むことが見込まれる。ただその太陽光発電会社にとって、太陽光パネルの設置場所の確保には苦労するはずだ。特に都市部では土地代は高いので、土地を借りたとしてもその賃料は安くなく、経費を圧迫するはずだ。

そこで考え出された方法が、民家の屋根を太陽光発電会社に貸す、という方法だ。次の概要となる。

  1. 発電会社は屋根を貸し出す家庭の屋根に太陽光パネルを設置。その費用はすべて発電会社側の負担となる。
  2. 売電益の一部から屋根の賃料が家庭側に支払われる。

この方法なら次のメリットがある。家庭側は出費無しで太陽光発電に貢献でき、かつ賃料も入る。また発電会社にとっても、大都市で安い賃料で太陽光パネルを設置できる。そして何よりも、国にとって税金を一銭も使わずに太陽光発電を促進できる。

経産省によれば、この方法のイメージは、「家庭が飲料の自動販売機の設置場所を提供し、メーカーから賃料を受け取る」に近いイメージだそうで、この例えは的を得ていよう。

この仕組みに対応するための法整備の検討を始めた、という段階のようだ。政府側は、再生エネルギー特別措置法の政省令や規則でルールを定める方針、とのことだ。

この方法に類似のやり方で太陽光発電を促進できないか、さらに国・自治体は検討する必要があるだろう。

太陽光発電所の生産施設面積率上限

2012年02月10日

環境ビジネスサイトの2月1日記事「経産省、太陽光発電施設の生産施設面積率の上限を75%に緩和」から一部を引用する。

経済産業省は、31日、工場立地に関する準則(告示)の一部を改正、公布・施行し、太陽光発電施設の生産施設面積率の上限を緩和する措置を講じた。本改正は、一定規模以上の太陽光発電施設を設置する際に適用される工場立地法の規制のうち、敷地に対して設置が可能である生産施設の面積の割合の上限を50%から75%へ引き上げるもの。これにより、太陽光発電施設の生産施設面積を現行の1.5倍に拡大することが可能となった。

本改正では、「電気供給業」を、太陽光を原動力とするものか否かに分類し、太陽光を原動力とする、いわゆる「太陽光発電施設」については、生産施設面積率を現行の50%から75%に拡大した。太陽光を変換して得られる電気を供給するものを除く電気供給業の生産施設面積率は、従来通りの50%。
...(C)環境ビジネス

「電気供給業」、わかりやすく発電所を建てるには、「生産施設面積率」または設備の敷地に占める面積は最大50%という制限があった。この制限があると、太陽光発電所はその敷地面積の50%までしか太陽光パネル等を設置できない。設置面積が必要で騒音等の公害は発生しない太陽光発電所にとって、この工場立地法の制限は問題があった。

そこでその工場立地法の準則(告示)が改正された。発電所のうち、太陽光発電所はその面積率を50%から75%に上げる。太陽光発電所ではない発電所はいままどおり50%、ということだ。この概念図がわかりやすい。

この改正で、メガソーラーの建設がさらに進むと予想される。

太陽光発電の資格

2012年02月14日

環境ビジネスサイトの2月8日記事”エコリンクス、太陽光パネル設置技術者「太陽光設計士」養成研修を開始”から一部を引用する。

エコリンクスは、太陽光パネル設置技術者「太陽光設計士」を養成するための産業用太陽光発電研修を2月より開催することを発表した。太陽光設計士は、太陽光発電システムを効率よく構成するシステムインテグレーター。現在は民間資格だが、太陽光発電の普及に伴い注目度がアップしている。

同研修は、今年1月に試験的に開催され、2月より本格的に定期開催されることになった。研修場所は、同社が主体となって運営する京都・仙台エコエネルギー学院。定員は、京都が先着20名、仙台が先着16名。費用は1人6万3,000円(税込)。
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今回の研修は、2日にわたって、高圧系統連系、架台設計、節税対策などの講義が行われ、研修修了者には「太陽光設計士 (産業用)」の資格が与えられる。

対象者は、産業用太陽光発電に関心のある方。販売経験の有無は不問。特に、太陽光発電産業用事業への参入を考えている方、すでに太陽光発電の住宅用販売を行っていてさらに拡大を考えている方、産業用に関する知識を付けたい方を対象としている。(C)環境ビジネス

「太陽光設計士」という資格に関する話題だ。この資格は公的な資格ではなく、エコリンクスという会社が認定する民間資格だ。

この資格については、エコリンクスのサイトの太陽光設計士にその概念が書かれている。太陽光発電システムは様々な機器から構成され、またそれを載せる屋根の形状も千差万別なので、その「システムインテグレーター」たる知識のある人物が太陽光設計士、という位置付けだ。それはそのとおりで、簡単に言えば、太陽光発電システムは電気屋と屋根屋の両方の知識が無ければならない。

さてこの太陽光設計士という資格は、上記引用記事からは判明しないが、募集要項によれば、住宅用の3級太陽光設計士と、上記引用記事で言及されている産業用の2級太陽光設計士に分かれる。

一般的な住宅用については太陽光設計士3級(住宅用)に詳しい。「基礎・設計編」(3日間)と「施工技術編」(2日間)の計5日の研修に参加し、各ステップでのテストに合格すると、同資格が与えられる。その研修受講料は、262,500円と、結構高い。まあ、知識の無い一般人も対象とするので研修期間は長くなり、その分、料金が高くなるのだろうか。

一方、今日話題の、太陽光設計士2級(産業用)によれば、研修期間は2日のみで、料金も63,000円と、前記住宅用に比べれば格段に安い。この産業用の方がかなり安い理由は、産業用の太陽光発電システムの知識のある人材がいま大量に求められている、ということくらいしか思い浮かばない。今年7月からの全量買取制度の発足で多くの会社がビジネスとして太陽光発電に参入するからだ。ただ、将来性がありかつニッチな産業用という分野の資格は、そのための研修費用は高くなるのが一般的だがそうではない。これは、かなりの「促成栽培」、つまり短期間で大量の人材を輩出する必要がある、ということだろうか。

民間資格というものは資格取得研修がその会社のビジネスになってしまう弊害がある。太陽光発電のように今後ますます幅広い知識が必要になる分野の資格は、住宅用にしても産業用にしても、やはり国家資格が望ましい。

地熱発電の規制が緩和

2012年02月15日

このブログは太陽光発電の話題がメインだが、それ以外の自然エネルギーにも時折触れている。今日は久しぶりに地熱発電の話題だ。毎日新聞サイトの2月14日記事「地熱発電:国立公園内の開発基準を緩和…環境省方針」から一部を引用する。

環境省は14日、再生可能エネルギーの導入促進に向け、国立公園内での地熱発電の開発基準を緩和する方針を決めた。一切の開発を禁止していた同公園「特別地域」の一部で、地域外からの傾斜掘削による地下の地熱資源利用に限り容認する。これに伴い、同地域などでは全国6カ所でしか地熱開発を認めなかった1974年の通知を破棄する。

自然保護や地熱発電の関係者による同省の検討会が同日、緩和に合意した。同省は3月中に新たな基準を通知する。

国立公園は優れた自然景観や貴重な生物多様性の度合いで特別保護地区▽第1~第3種の特別地域▽普通地域--に分けて管理され、普通地域以外は開発が厳しく制限されている。

緩和されるのは、開発禁止区域のうち第2種、第3種特別地域の地下資源の利用だ。具体的には国立公園外や公園内の普通地域から斜めに井戸を掘削し、発電用に熱水などを活用できるようにする。地上の景観には影響しないためで、地域内で垂直に井戸を掘ったり、地上に発電設備を設置したりするのは認めない。

地熱発電は地下の熱水などを利用し、地上に設置した施設で発電する再生可能エネルギーで、風力発電や太陽光発電と異なり出力がほぼ一定で安定しているのが特徴だ。火山国の日本は資源が豊富で、資源量としては約3300万キロワットあるが、このうち7割以上は特別保護地区内や第1~3種特別地域内にある。
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この日の検討会で地熱発電関係者から「普及拡大に向けた一歩前進。一層の基準緩和を望む」と歓迎の声が上がった。一方、自然保護関係者からは「国立公園は国民の宝で、なるべく手をつけずに保護し続けるべきだ」と開発が加速することへ懸念する声もあった。(C)毎日新聞

国立公園に隣接する地熱発電所は、国立公園外から斜めに井戸を掘るやりかたで熱水を得る方法が認めらる、というニュースだ。

あれ~~っ、変だ。何が変って、このブログの昨年2011年6月13日記事「国立公園内の地熱発電は斜め掘りで」に書いたとおり、昨年6月の時点でこの基準は緩和されているはずで、事実、そのときのブログに書いたように、澄川(すみかわ)地熱発電所(秋田県鹿角市)でその斜めに掘るやりかたでの地熱発電所建設が進んでいたのだ。かつその時点で、秋田県湯沢市の上の岱地熱発電所で同様の掘り方の許可を取得している、ということなのだ。それから8ヶ月経ったいま、同じような内容で規制が緩和された、というのは理解できない。

そもそも上記引用記事にも問題がある。地熱発電の規制緩和で一番問題になるのは、温泉だ。地熱発電所が熱水を取ることで、近隣の温泉の湧出量が減ること、また温泉の成分の変化が予想されるためだ。その温泉について、上記毎日新聞記事が触れていないのはおかしい。地熱発電を推進しようとすると一番問題になることだからだ。

それから、政府のやり方もおかしい。環境省のサイトで地熱発電について調べてみた。温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)ページは、題名の如く、地熱発電による温泉の影響についての考え方について政府の立場でまとめた文書だ。これを見ると、地熱発電の仕組みや地熱資源についてよくわかる内容となっている。これ自体は問題無いのだが、問題があるのは、このガイドラインについてのパブリックコメントを現在も募集中、ということだ。「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)(案)」に対する意見の募集について(お知らせ)によると、この前記ガイドラインについての意見を、2月22日まで募集する、とのことだ。ということは、今はまだ意見を募集期間中なのに、地熱発電を優先しその推進のための規制緩和を決めてしまった、ということになり、これは非常に問題だ。

今日引用の毎日新聞は、このようなことをしっかり書くべきだ。それがマスコミの責任だろう。

なおこのブログとしては、「地熱発電は推進すべきだが温泉を初めとする環境との調和を図りながら住民の充分なる了解の元に推進すべき」という立場である。

 
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