2011年7月 | 太陽光発電 何でも情報


2011年7月

太陽電池の電力のみで飛ぶ飛行機

2011年07月01日

CNN日本語サイトの6月24日記事「ソーラー飛行機で世界一周飛行を目指す男たち」から一部を引用する。

普通の飛行機なら、雨が降って滑走路に水たまりができたくらいで飛べなくなることはない。だが「ソーラー・インパルス」は話が別だ。
...
この飛行機を発案したのは、1999年に史上初の熱気球による無着陸世界一周飛行をなし遂げたベルトラン・ピカールら2人のパイロットだ。翼長は旅客機のA340並みの63.4メートルで、重量はスポーツカー並みの1600キログラム。スクーター程度のパワーしか出ないが、肝心なのは動力源は何かということだ。

ソーラー・インパルスはその名の通り、大きな翼の上にびっしり並べられた1万1000個を超える太陽電池を動力源としている。燃料は一切使わない。

昨年7月に行われた最初の本格的なテスト飛行では、26時間連続飛行を達成。14年には世界一周ノンストップ飛行を目指しているという。(C)CNN

太陽電池の電力のみ使用する飛行機の話題だ。この飛行機の外観はのとおり。この画像からは太陽電池が貼ってあるようには見えないが、巨大な63.4メートルの翼の上に1万1000個以上の太陽電池がはってある飛行機だ。この翼の長さは、なんとA340旅客機並みというから、大変な大きさだ。

翼はそれだけ大きいのに重量は1600キログラム。大きめの乗用車程度だ。出力は、記事によれば「スクーター程度のパワー」というから、飛行機としては非常にちいさなパワーとなる。

この飛行機で、昨年7月に26時間連続飛行を達成したとのこと。夜間・悪天候飛行用のバッテリーも搭載しなければならないため、難しい設計と思うが26時間連続飛行ということは設計はうまく行っている、ということだろう。この飛行機、2014年に世界一周ノンストップ飛行を目指しているそうだが、是非成功してもらいたい。

太陽光パネルとリチウムイオン蓄電池の電源装置

2011年07月04日

少し古いがCNET Japanサイトの4月27日記事”太陽光&充電池の家庭用バッテリ「ソーラー蓄発くん」--扇風機や液晶テレビも駆動”から。

レッツコーポレーションは、ソーラーパネルと充電池による家庭用バッテリ「ソーラー蓄発くん(ソーラーちくはっくん) Li-2N」を発表した。家庭用電源の100Vを出力でき扇風機や液晶テレビなどを動かすことができるという。発売は6月4日から。子会社であるイーレッツのほか、家電量販店でも販売される。店頭想定価格は25万円前後。

Li-2Nは、ソーラーパネルとリチウムイオン充電池をキャリングケースに収めた家庭用バッテリだ。13W×4枚の単結晶シリコンによるソーラーパネルを装備し、発電した電力はリチウムイオン電池に充電できる。充電池は900W/hの大容量タイプで、扇風機(消費電力100W)を約8時間、液晶テレビ(同150W)を約5時間駆動できるとしている。

ソーラーパネルからの充電のほか、家庭用電源からの充電にも対応。電力量の少ない深夜に充電し、昼間に駆動させるなどの使い方が可能になるとしている。

本体サイズは高さ160mm×幅470mm×奥行き360mmで、重量は約12kg。オプションとして80Wのソーラーパネルマットを用意する。(C)CNET Japan

いま需要が急増している、太陽光パネルと蓄電池の電源装置の話題だ。メーカーは、通信関係のユニークな機器を開発しているレッツコーポレーション。この手の製品は、鉛蓄電池を使用する廉価なものからリチウムイオン蓄電池を使用して大容量の企業用まで様々のランクの製品があるが、今日話題の製品はリチウムイオン蓄電池を使用するがその中ではまあ安い方に属する製品だろう。

リチウムイオン蓄電池の能力は、900whの大容量タイプとのこと。扇風機(消費電力100W)を約8時間、液晶テレビ(同150W)を約5時間駆動できる能力だ。ただ、家庭用冷蔵庫を3時間は少々無理、という能力だ。

一方電力の入力は、通常の家庭用電源のほかに太陽光パネルも付属している。製品の外観のとおりだ。ケースを開くと太陽光パネルが開くようになっている。この太陽光パネルは、能力の高い単結晶シリコン型を使用していることがセールスポイントだ。とはいっても、13W×4枚とのことなので、計72ワット。この能力では充電にかなり時間のかかることが予想できる。なおオプションとして、別途80ワットの太陽光パネルを追加できる。製品ホームページの上右にある。

価格は、リチウムイオン蓄電池を使用するため安くはない。オープンプライスだが想定価格は25万円とのことだ。

脱原発でも太陽光でGDP問題無し

2011年07月05日

毎日新聞サイトの7月3日記事「脱原発:50年の経済影響なし 東京大准教授試算」から一部を引用する。

2050年に「脱原発」を実現した場合の国内の経済影響はほとんどないとの試算を、茂木源人(げんと)・東京大准教授(社会戦略工学)がまとめた。太陽光パネルをすべて国内で生産し、未利用の土地を活用することなどの条件が前提で、実現には政府の姿勢が鍵になりそうだ。

試算は電力会社の依頼を受け実施した。

現在、日本の電源は原発約3割、火力約6割、太陽光を含むその他が約1割。試算では、太陽光パネルの寿命は20年で、発電量は年率1%で劣化するとした。50年までの電力需要を考慮し、(1)原発を段階的に廃止し、その分を太陽光が代替する(2)原発はそのままで、太陽光が普及していく分、火力を減らす(3)原発はそのままで、太陽光は住宅への普及限度の1000万戸まで増え、その分の火力が減る--の3ケースで分析した。

その結果、50年の国内総生産(GDP)は、(1)536兆円(2)533兆7000億円(3)536兆1000億円で、ほぼ同レベルになった。

この理由を、(1)と(2)で太陽光パネル製造や設置費など40年間で162兆8000億円が投入され、製造工場などで雇用が生まれるためと説明している。

東日本大震災前の原発の平均発電量を得るには、1万平方キロの設置面積が必要だが、現存の耕作放棄地などを活用すれば可能という。

一方、電力料金については、20年代半ばに1キロワット時あたり0・6円上がるが、大量生産が実現する30年に元に戻ると分析した。

茂木准教授は「当初の太陽光発電のコストは他電源より高いが、国内ですべて生産すれば経済の足を引っ張ることはない」と話す。(C)毎日新聞

「脱原発」を実施しても国内の経済活動に影響はほとんど無い、という試算結果が出た。この試算を行ったのは、東京大学の茂木源人准教授(社会戦略工学)。最近は社会戦略工学なんていう分野があるのですね。

試算の前提は次のとおりだ。
(A)現在、日本の電源は原発約3割、火力約6割、太陽光を含むその他が約1割。
(B)太陽光パネルの寿命は20年で、発電量は年率1%で劣化する。
(C)太陽光パネルはすべて国内で生産。
(D)太陽光発電の設置場所として未利用の土地を活用する。

次の3つのケース毎に試算した。
(1)原発を段階的に廃止し、その分を太陽光が代替する。
(2)原発はそのままで、太陽光が普及していく分、火力を減らす。
(3)原発はそのままで、太陽光は住宅への普及限度の1000万戸まで増え、その分の火力が減る。

上記の条件で2050年の国内総生産(GDP)を計算したケース毎の結果は次のとおりだ。
(1)536兆円
(2)533兆7000億円
(3)536兆1000億

ということで、どれも同じ数字となる。恐らく、どのような条件を付加すれば同一金額になるのか、という視点で検討したとは思うが、「脱原発」を実施しても経済活動に問題は全く無い、という画期的な研究結果だ。

この結果で困るのは、「原子力ムラ」の住人のみだろう。この試算は電力会社からの依頼によるとあるが、茂木准教授は電力会社からの仕事は以後、来ないだろう。恐らく「原子力ムラ」からの圧力があったと思うが負けずに公表した茂木准教授に拍手。

さあ、「脱原発」を実現するため、次は政治の出番だ。でもその前に首相を変えなければ。

商社が倉庫屋根に太陽光パネルを設置し売電事業

2011年07月06日

朝日新聞サイトの7月1日静岡版記事「鈴与が太陽光発電」から一部を引用する。

総合商社「鈴与商事」(静岡市清水区)は(6月)30日、太陽光発電システム卸売業の「新興マタイ」(長野県佐久市)をグループ会社化し、太陽光発電事業に本格的に取り組むと発表した。今秋から同発電システムの販売を始め、来秋からは自社の倉庫の屋上を活用しての発電・売電も手がける計画を明らかにした。

発電・売電計画は、清水区内だけで80棟ある鈴与商事の倉庫の屋根に太陽光パネルを取り付け、年間1千キロワット以上の電力を作り、中部電力に販売するというもの。80棟の中から、立地のいい20棟ほどを選ぶ。パネルの総面積は2万平方メートル以上になるという。

国会で審議中の「再生可能エネルギー特別措置法案」(再生可能エネルギーの買い取り義務づけ制度)の成立が前提だが、「成立する可能性は高いはずで、設置屋根の選定を進めたい」と同社。「自社倉庫の屋根で作った電気を売る試みは初めてかもしれず、PRしていきたい」としている。
...(C)朝日新聞

静岡市の総合商社「鈴与商事」が、倉庫の屋根に太陽光発電設備を設置し年間約1千キロワットもの電力を電力会社に売電する、という計画が発表された。太陽光パネルの設置は条件の良い倉庫の屋根とし、総設置面積は約2万平方メートルにも及ぶ、とのことだ。

太陽光パネルの設置面積2万平方メートルで出力1000キロワット、とのことなので、計算をしてみる。通常の太陽光パネルの面積は1.5平方メートル程度なので、この倉庫に設置する太陽光パネルの1.5平方メートル当たりの出力は約0.075キロワットとなる。通常の単結晶シリコン型の太陽光パネルの出力は1.5平方メートルで0.2キロワット程度なので、この倉庫屋根設置の太陽光パネルは通常の4割程度の出力しかないことになる。上記の数字に誤りが無ければ、かなり変換効率が低い、しかし安価な太陽光電池による太陽光パネルを使用している、と思われる。もしかすると、印刷技術を使った薄膜系の太陽電池かもしれない。

この商社は、このプロジェクトにために長野県佐久市の太陽光発電システム卸売業の「新興マタイ」を子会社にした、とのこと。新興マタイとは不思議な社名だ。キリスト教を思い起こさせる社名だが、サイトを調べたら、マタイとは麻袋のことだった。その会社の創業は麻袋だったのだ。

引用記事中にもあるが、商社が売電目的で倉庫の屋根に太陽光発電設備を設置するのは国内でほとんど最初の試みかもしれない。「再生可能エネルギー特別措置法案」が成立すれば、このような会社が増えることが予想される。

太陽熱により水素を得る

2011年07月07日

読売新聞サイトの6月17日記事「宮崎県、太陽光による水素製造を研究」から一部を引用する。

東京電力福島第一原子力発電所の事故などを受け、自然エネルギーへの注目が集まる中、宮崎県は全国3位の日照時間を生かし、太陽光による「新エネルギーの拠点づくり事業」に乗り出す。

宇宙機器メーカー「三鷹光器」(東京都)や新潟大と連携し、効率的に太陽光を集める「ビームダウン式集光装置」を宮崎大に設置。太陽光発電のほか、太陽光による水素製造の研究に、全国の自治体で初めて取り組む。事業予算は5000万円。

ビームダウン式集光装置は、世界有数の集光技術を誇る三鷹光器が製作。太陽の動きを追尾する反射鏡(ヘリオスタット)が、地上約10メートルの高さにある楕円(だえん)鏡に光を集めて再反射させ、真下にある太陽光濃縮装置を通すことで、効率性の高い集光が可能になる。

水素製造では、新潟大が研究を進める技術を活用する。水を分解し、水素を発生させるには通常約3000度の高温が必要だが、同大の開発した触媒を使用することで1500度まで下げることができる。県は、ビームダウン式集光装置との併用で、太陽光による水素製造技術の開発を目指す。

水素を安定して供給できるようになれば、水素自動車や燃料電池などへの利用が可能になる。県は2020年頃までの実用化を見込んでおり、民間への技術移転や企業誘致も促進するという。

過去30年の県内の平均日照時間は年間2116時間で全国3位。...(C)読売新聞

これは極めてユニークな研究だ。太陽熱から水素を得よう、というのだから。

太陽熱により高温を得るところまでは太陽熱発電システムと同じだ。地上には太陽を追尾する鏡があり、塔(この場合は10メートル)の上に集光する。塔の上には真下に光を反射する鏡がある。これで塔の真下は高温が得られる。

その高温で水素ガスを得よう、という訳だ。水素は水の電気分解でも得られるが、水蒸気を高温下に晒せば水素が得られる。この方法では3000度という高温が必要だが、新たに開発された触媒により1500度の温度で水素が得られる。3000度と1500度では大違いだ。

これはすばらしいプロジェクトだ。太陽熱で水を分解して水素が得られるのだから、温暖化ガスの発生は有り得ない。

ところでなぜ水素なのか?それは、環境に負担をかけない究極の電気エネルギー発生装置は燃料電池であり、それは水素により電気エネルギーを発生するのだ。燃料電池の原理は水の電気分解の逆で、水素と空気中の酸素により水を生成するときに発生する電気エネルギーを取り出すのだ。この燃料電池の動作時に発生する物質は水のみである。

この燃料電池の普及のためには安価な水素がどうしても必要であり、今日の話題のシステムは非常に期待できる。

屋上緑化で太陽光パネルの効率アップ

2011年07月13日

東京新聞サイトの7月8日記事「発電量の低下軽減 太陽光パネル+屋上緑化 明大農学部が提案」から一部を引用する。

電力不足が懸念される中、明治大学農学部(川崎市多摩区)は、屋上緑化と組み合わせた太陽光発電を提案している。コンクリートにパネルを置く場合に比べ、照り返しの熱による発電量の低下を軽減できるという。...

担当は、緑地工学が専門の輿水肇教授が率いる研究グループ。昨夏と今年一月、校舎の屋上で、縦一・二メートル、横五十三センチのパネルで実験。設置面をコンクリート、人工芝、天然芝とし、それぞれパネル裏表面の温度や発電量などを測った。

昨夏の実験の結果、電力量について天然芝を100%として比較すると、コンクリートでは午前十時ごろから低下が始まり、最大で10%前後の落ち込みが見られた。

太陽光パネルは高温になると発電効率が落ちる。地表面の温度は、天然芝がコンクリートより一日平均して五度程度低かった。緑化により、パネルの温度上昇が抑えられ、発電量の低下も抑制できたと考えられる。

パネルが日陰をつくるので、屋上緑化との両立は難しいという誤解があったと輿水教授。「太陽の角度によっては地表に光が届く時間がある。日照が弱くても育つ植物もあります」と強調。「屋上緑化で、下階の室温は上昇が抑えられ、冷房効率が上がる。また、都市部のヒートアイランド現象の軽減にも貢献できる。まさに“一石三鳥”です」と力説した。(C)東京新聞

太陽光発電の弱点、というか太陽電池の弱点は、高温になると発電効率が低下することだ。上記記事によると、コンクリート上の太陽光パネルは真夏には最大10%前後、発電量が低下する、とのこと。

そこで、コンクリートの屋上に太陽光パネルを設置する際に、屋上緑化と組み合わせることで温度を下げて、発電量低下を抑える方法が考え出された。これは明治大学農学部の研究グループの研究だ。天然芝で屋上緑化すると、コンクリートのみの場合より一日の平均で5度も温度が低くなった、とのことだ。当然、このときの太陽光発電の効率低下は少ない。を見れば、それほど芝を敷き詰めなくても効果があるようだ。記事にもあるが、太陽光パネルの陰のせいで植物への日照が弱くなることはそれほど考えなくても良いようだ。引用記事にもあるとおり、屋上緑化すれば、太陽光発電へのメリットの他にも、下の階の温度は下がるし、ヒートアイランド現象の軽減にも寄与できる、という別のメリットもある。ビルの屋上に太陽光パネルの設置を検討するときには、ついでに天然芝での屋上緑化も是非是非検討してもらいたい。

 
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