2011年6月 | 太陽光発電 何でも情報


2011年6月

太陽光パネルからの充電が可能な電源装置

2011年06月03日

最近このブログでも話題にすることの多い、太陽光パネルを備えた移動可能な電源装置の話題だ。朝日新聞サイトの5月30日付け日刊工業新聞記事「相光技研、7月に小型太陽光発電機を発売」から一部を引用する。

相光技研(相模原市中央区...)は、小型太陽光発電機「エコハイパワー」を7月1日に発売する。太陽光パネルが折り畳み式で、台にはキャスターが付いており簡単に移動できる。容量6900ワット時のバッテリーに、太陽光パネル、交流電源から充電できる。一般家庭や診療所などでの使用を想定している。価格は200万円で、月200―300台の販売を見込む。

停電時など、フル充電で1世帯の電力消費を約3時間まかなえ、使用中も太陽光による電力供給ができる。折り畳み式パネルの収納時の大きさは幅1000ミリ×高さ1116ミリ×奥行き1270ミリメートル、広げた時の大きさは幅1353ミリ×高さ1690ミリ×奥行き1270ミリメートル。全体の重さは354キログラム。
...(C)日刊工業新聞社

この電源装置は、通常は交流電源から充電でき、停電時には使用しながら太陽光パネルからの充電も可能な製品だ。太陽光パネルは折りたたみ式で、広げたときはのようになる。キャスターが付いて移動可能であり、見た感じではかなりしっかりした製品だ。

この製品のホームページによれば、AC電源によるフル充電は約11.5時間。結構時間がかかる。そして太陽光パネルによるフル充電は、約42時間という時間が必要なので、このホームページには太陽光パネルによる充電はあくまでも補助として使うように書いてある。

太陽光パネルのサイズは、広げたときは幅1353ミリ×高さ1690ミリとのことなので、面積は2.3平方メートルとなる。もし通常のシリコン型太陽電池なら1.5平方メートルで出力約0.2キロワットなので、その数値を当てはめて計算すると、この太陽光パネルの出力は約0.3キロワット、となる。この面積ではフル充電に約42時間を要するというのも理解できる。

バッテリー容量は6.8kW時と大容量だ。「フル充電で1世帯の電力消費を約3時間まかなう」ように設計された製品だ。ということはバッテリーがたくさん接続されていることが予想される。事実、バッテリーは5並列だ。そして太陽光パネルも含めた全重量はなんと354Kgと大変重い。

ユーザとしては一般家庭や診療所を想定、ということからわかるとおり、結構高価な製品だ。なんと200万円。

このタイプの電源装置は、今回製品と同じ性能で100万円を切れば、そして太陽光パネル以外の重量がもっと軽くなれば、急速に普及するであろう。

東芝の太陽光発電と蓄電池を組み合わせた新製品

2011年06月06日

朝日新聞サイトの5月31日付け日刊工業新聞記事「東芝、鉛蓄電池を標準搭載した太陽光発電システム投入」から一部を引用する。

東芝は30日、蓄電池付き太陽光発電システムを住宅メーカー向けに販売すると発表した。太陽光システムと鉛蓄電池を組み合わせることで、太陽光で発電した電力を蓄電池に充電して、電力不足時や停電時の電力確保につなげられるようにした。東日本大震災以降の電力不足で、発電した電力の蓄電ニーズは高まっている。今年度1000棟分の販売を目指す。

同システムは、700ワット相当の家電機器を約3時間動かすことが可能な鉛蓄電池を標準搭載。増設バッテリーを使うことで、容量を拡張できる。

東芝によれば、住宅用太陽光発電システムの市場規模は2015年度に10年度比77・8%増の8000億円に達する見通し。東芝は今後、製品群を拡充し、成長市場で需要の取り込みにつなげる。(C)日刊工業新聞社

東芝は自社では太陽光パネルは生産していない。しかし東芝は昨年から住宅用太陽光発電の分野に参入した。このブログの2010年2月25日記事「東芝は住宅用の太陽光発電の市場に参入」によれば、東芝が販売する太陽光パネルは米国サンパワー製だ。この太陽光パネルは、変換効率が世界最高水準という大きな特徴がある。

その東芝がこのたび、太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムの販売を発表した。この家庭用の蓄電池の分野は、このブログでも最近かなり話題にしているとおり、今後の大きな伸びが期待できる分野だ。

この製品は、停電時に700ワット相当の家電を約3時間動かすことが可能な蓄電池の能力とのことだ。この「3時間」という時間はこの春の計画停電でお馴染みの停電時間だ。その時間、恐らく冷蔵庫と照明の一部を動作させるための700ワット、そして3時間という設計にしたのだろう。

そしてその蓄電池は、この製品では鉛蓄電池だ。しかし東芝の将来構想ではそうではない。SankeいBizサイトの4月19日記事「電機各社、蓄電池事業を強化 スマートグリッドの流れ加速」の中で、東芝については次のように書かれている。

東芝は2012年に予定していた家庭用蓄電池の発売を6月に早める方針だ。詳細はこれから詰めるが、同社が独自開発したリチウムイオン電池を搭載し、1~5キロワット時の範囲内で3種類を投入する見通し。1キロワット時の蓄電池では500リットルの冷蔵庫を5時間冷やすことができる。

同社は今回の震災を受け、「スマートグリッドを念頭に置いた被災地の再建」(佐々木則夫社長)を目指している。太陽光発電システムで電気を「作り」、蓄電池で「貯める」というシステムを構築すれば、非常時だけでなく平時も含めた省エネに貢献できる。(C)SankeiBiz

この震災を受け、家庭用蓄電池、それもリチウムイオン蓄電池を使用する高性能な製品を6月から投入する、とのことだ。ただ、リチウムイオン蓄電池を使用する製品は高性能だが現段階では高価格だ。太陽光発電と組み合わせる上記製品では、リチウムイオン電池を太陽光発電システムに組み合わせると倍の価格になってしまうことも想定される。そこで、この製品では鉛蓄電池を組み合わせたのだろう。

山梨の企業の大規模太陽光発電

2011年06月09日

朝日新聞サイト山梨版の6月1日記事「メガソーラー、韮崎の事業所に エレクトロン山梨が計画」から一部を引用する。

半導体製造装置大手の東京エレクトロン山梨(旧東京エレクトロンAT、韮崎市)が、市内の事業所敷地内に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の設置を計画していることが31日、わかった。県によると、民間企業単独の太陽光発電施設としては県内で最大級という。今夏に予想される電力不足に備え、自前の発電施設で必要な電力の一部を賄うねらいだ。

同社によると、同市藤井、穂坂両町に分散している山梨事業所の建屋や立体駐車場の屋上部分などに、1万枚強の太陽電池パネルを設置。6割強は同社が藤井の事業所に、残りは親会社が穂坂に並べる。発電量は計2千キロ(2メガ)ワット強。6月初旬に基礎部分の工事に着手し、下旬までに設置を終える。需要期の7月に稼働を始める予定だ。

県内の太陽光発電施設としては、県と東京電力が、来年1月の完成をめざして、甲府市内の公有地で工事を進めている出力10メガワットのメガソーラーが有名だ。北杜市に2メガワット級のメガソーラーもあるが、自家需要向けに設置した民間企業の太陽光発電施設は、数百キロワット規模にとどまる。

エレクトロングループ各社は今夏、生産ラインの週末稼働や従業員の休日を輪番で消化させることなどで、国が求める15%削減の節電目標を達成する計画だ。...
(C)朝日新聞

大震災前は電力会社が主体となってメガソーラーの建設が進められていた。3.11以後、特にこの夏の15%電力削減目標達成のため、大企業はその対応策に腐心しているが、メガソーラーを建設する、という方法もある。その例が今日の話題だ。

半導体製造大手の東京エレクトロン山梨が、韮崎市の事業所内にメガソーラー建設を予定している。その規模は、出力2000キロワット、つまり2メガワット。ひとつの企業が建設する太陽光発電設備としては大変大きい。事実、山梨県内の企業単独の大規模太陽光発電設備としては最大級、とのことだ。

この出力2000キロワットを得るための太陽光パネルは1万枚とのこと。太陽光パネル1枚当たりの出力は割り算をすると0.2キロワットだから、標準的な単結晶シリコン型太陽光パネルだろうか。一般的には、大規模太陽光発電設備では費用をおさえるため、若干出力は低いが多結晶型や薄膜型の太陽光パネルを使用することが多いが、この事例では出力優先のため、効率の高いタイプを使用した、と推察される。

山梨県は日照時間が多く、太陽光発電に適した場所ならでは、の事例だ。今後の電力が慢性的に逼迫することが予想されるいま、大規模太陽光発電設備を設置する企業は増えることが予想される。

国立公園内の地熱発電は斜め掘りで

2011年06月13日

毎日新聞サイトの6月11日記事”地熱発電:国立公園の外から「斜め掘り」 十和田八幡平”から一部を引用する。

三菱マテリアルと東北電力が地中を斜めに掘る技術を利用して、国立公園の直下にある地熱エネルギーを使う発電を計画していることが11日、分かった。日本は地熱資源の約8割が国立公園など自然公園に存在するとされるが、開発が厳しく制限されていた。しかし、政府は10年6月、景観に配慮した開発を認めるよう規制を緩和した。実現すれば斜め掘りを利用した日本初の地熱発電となり、他地域の地熱活用にもはずみがつきそうだ。

三菱マテリアルは7月、十和田八幡平国立公園から0.5キロ離れた澄川(すみかわ)地熱発電所(秋田県鹿角市)から掘削を開始。地下2.4キロの地点まで井戸を斜めに掘り進め、年内に約0.5万キロワット分の蒸気が生産できる。蒸気を利用した発電は東北電力が行う。同発電所は現在約3.5万キロワット分の発電能力を持つ。ほぼ真下の地熱資源を利用しているが、国立公園直下の方が、より高温で発電に適した蒸気が得られるという。

自然公園の地熱資源は政府が1972年、景観保護などを理由に「(すでに)発電所がある6地点以外は、新規開発を推進しない」と通達を出し、活用を制限してきた。しかし、10年6月、再生可能エネルギーを有効活用するため、規制を見直す方針を閣議決定。斜め掘りは地表の自然景観に配慮しているとして、環境省も許可に動き始めた。東北電力が秋田県湯沢市の上(うえ)の岱(たい)地熱発電所で同様の許可を取得している。

経済産業省などによると、日本はインドネシア、米国に次ぐ世界3位の「地熱資源国」。原発約20基分にあたる推定2000万キロワット超の地熱資源がある。しかし、原子力や火力に比べてコストがかかるとして、54万キロワット分しか活用されていない。自然公園にある資源を有効活用できれば、規模拡大によるコスト低減も期待されている。ただ、地熱発電は、温泉事業への悪影響を懸念する声があり、地元の理解を得ながら開発を進める必要がある。(C)毎日新聞

この引用記事の最後の部分のとおり、日本はインドネシア・米国に次ぐ世界3位の「地熱資源国」だ。その地熱資源は、なんと原発20基分の2000万キロワット超、だそうだ。しかしいままで日本では、1972年以来、地熱発電の新規設置が制限されてきた。それは、地熱発電に適した場所が国立公園などの自然公園内に存在するからだ。しかし2010年6月にこの制限の見直しがやっと行われた。

今日の話題は、国立公園中で地熱発電を可能にする、「斜め掘り」の技術だ。これは、解説図を見たほうがわかりやすい。国立公園の外から国立公園下の地熱発生源まで斜めに掘削する、という方法だ。

この技術を使用する最初の地熱発電所が、秋田県鹿角市の澄川地熱発電所だ。この発電所は、斜めでない、旧来の直下ボーリングによる方法で、3.5万キロワットの出力がある。これは35メガワットだ。地熱発電は太陽光発電に比べるとかなり大規模だ。太陽光発電のメガソーラーは数メガワットが普通という世界だ。そして今回の斜め掘りにより、より地熱発電に適した蒸気が得られるとことで、その分の発電量は0.5万キロワット、つまり5メガワットとのことだ。

この地熱発電については、当ブログでは4月8日記事「ニュージーランドの地熱発電所に東芝が受注」に書いた。その最後に、ニュージーランドでは原子力発電を放棄し電力需要の7%もの量を地熱発電で賄っている、との記述がある。日本も、世界3位の地熱資源国なのだから、本気で取り組めば原発依存度をどんどん下げてゆくことが可能なはずだ。

しかし地熱発電にも欠点はある。それは、近隣の温泉の湧出量に影響が及ぶ場合があるからだ。その影響の事前評価も困難がある。このあたりを克服して、今後の地熱発電の進展に期待したい。

再生可能エネルギーによる電力の全量買取法案

2011年06月14日

共同通信サイトの6月14日記事「首相、続投に意欲 今国会で再生エネ法案成立を」から一部を引用する。

菅直人首相は14日午前の参院東日本大震災復興特別委員会で、退陣までに達成する課題について「復興基本法案、2011年度第2次補正予算案、再生エネルギーの特別措置法案だ」と述べた。与党内でも月内退陣論が強まる中、当面、続投する考えを強調した発言。首相は、これに先立つ閣僚懇談会で、小規模な11年度第2次補正予算案を7月初旬に国会提出するよう指示した。

再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が全量買い取る制度を導入する特別措置法案は4月5日に衆院に提出。民主党は16日の審議入りを求めているが、自民党は「菅内閣の間は政府提出法案には協力しない」としており、成立は来月にずれ込む見通しだ。(C)共同通信

史上最低の首相、菅直人。これほどビジョンが無く、また権力欲のみ突出した首相は日本には今までいなかった。麻生氏が近いが、菅首相よりはましだ。民主党も小沢追い出しと権力闘争に明け暮れ迷走状態。次の首相に何人かの名前が出ているが日本のリーダーはとても勤まらない小者・俗人ばかり。民主党の迷走が続けばその間、権力の座に居られる菅はますますニタニタ顔。自民党も、こんな日本にした責任を感じておらず党の政権奪取しか眼中にない。日本の政治のトップが皆、自分の権力維持・奪取しか考えない連中なのだから、日本が良くなるわけがない。この困難を克服できるはずがない。しかし現在のどうしようもない政治家は、国民のレベルを反映しているに過ぎない、とも言える。書き出したらとまらないが、このブログは太陽光発電関連ブログなので、政治批判はこのあたりでやめておく。

今日の引用記事は、菅首相が退陣までに優先したい課題のひとつが再生エネルギー特別措置法案、という内容だ。再生エネルギー特別措置法案は、今後の日本が自然エネルギー主体に転換するためにどうしても必要な法案だ。それは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社がその「全量」買い取る制度のための法案だ。

この再生エネルギーの全量買取制度については、このブログで何回か記事にした。初回が大分前になるが当ブログ2009年10月28日記事「すべての再生可能エネルギーの全量買取検討」だ。この時点で、経済産業省はこの全量買取制度を検討するプロジェクトチームを発足させた。その後、当ブログの2010年3月25日記事「再生可能エネルギーの全量買取の4案提示」を書いた。両記事において、大きな問題点を指摘した。それは、買取資金をすべて電力料金上乗せ分で充当させるという考え方に対してだ。このたびの原発事故を踏まえ、また世界の反原発の潮流から、日本も早晩、原発撤廃に追い込まれるはずだ。(原発利権組の巻き返しは相当予想されるが。)そのときのエネルギーとして、再生可能エネルギーが非常に重要な位置を占めることは確かだ。ということは、この再生可能エネルギーによる電力の全量買取は国策だ。電気料金上乗せだけでその国策を実行しようとするやり方は非常に姑息と考える。ここは、今後のエネルギー政策をどうするかきちんと議論をした上で、税金を投入すべきだ。国の政策なのだから。

トヨタ工場の太陽光発電

2011年06月15日

SankeiBizサイトの6月8日記事「トヨタ、英工場で大規模太陽光発電」から。

トヨタ自動車は7日、米国の生産拠点トヨタモーターマニュファクチャリングUKのバーナストン工場(バーナストン市)に、発電量で年間460万キロワット時の太陽光発電システムを導入すると発表した。7月末に稼働し、トヨタグループの太陽光発電としては最大。ブリティッシュ・ガスとの共同プロジェクトで、3万600平方メートルの工場内敷地に1万7000枚の太陽光パネルを設置する。年間生産の約5%に相当する7000台生産分の電力をまかなうことができるとしている。(C)SankeiBiz

トヨタがイギリスのバーナストン工場に太陽光発電設備を設置した、という話題だ。

この引用記事には出力は書かれていないが、年間発電量は460万キロワット時、とのことだ。日本ならこの年間発電量に対応する出力は4600キロワット強だが、イギリスは日本より日照時間が短いと思うので、太陽光発電設備の出力は5000キロワット、つまり5メガワット程度か。

ここではとりあえず出力5000キロワットとする。そのための太陽光パネルは1万7000枚とのことなので、割り算をすると、太陽光パネル1枚当たりの出力は0.29キロワットとなってしまう。これは通常の太陽光パネルの出力0.2キロワットよりはかなり高い。なので、太陽光パネルの面積が通常より大きいのではないか、と予想する。

引用記事によれば、設置面積は3万600平方メートルとのこと。太陽光パネルの枚数は1万7000枚だから、1枚の面積は計算すると1.8平方メートルとなる。通常の太陽光パネルの面積はだいたい1.5平方メートルだから、予想どおりすこし大きなパネルを使用していることになる。

この引用記事と同一内容の記事をNNA.EUサイトの6月8日記事「トヨタ、太陽光発電を導入:工場への電力供給、7月にも開始」で見つけた。さらに詳細な内容が書かれているが、最初の引用記事とは異なるデータが書かれている。次のとおりだ。

設置される太陽光発電パネルは1万7,000枚で、総面積はサッカーコートおよそ4面半分の大きさに当たる約9万平方メートル。発電量は年間460万キロワット時で、約7,000台の自動車生産に必要な電力に相当するほか、二酸化炭素(CO2)の排出量を年に約2,000トン削減できる。
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このプロジェクトの太陽光発電パネルの総面積は最終的に45万平方メートルに上る予定で、自動車業界では世界最大となる。(C)NNA

設置面積が大分異なる。こちらの記事では9万平方メートルなので、最初の引用記事の約3倍の面積になってしまう。すると計算が合わなくなるので、恐らく最初の記事の3万600平方メートルのほうが正しい数値と予想する。となると、2番目記事最後の、最終的に45万平方メートルも数字は怪しい。しかしトヨタのこの工場の太陽光発電設備は世界最大となることは確実だろう。

 
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