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2011年5月

復興住宅全戸への太陽光発電設備の設置

2011年05月02日

5月2日付の朝日新聞サイト記事「震災復興住宅全戸に太陽光パネル 宮城県の会議が構想」から一部を引用する。

宮城県が各界の有識者らを集めて2日に初会議を開く「震災復興会議」は、被災者が将来入る公営の復興住宅や自ら建てる住宅などの全戸に、太陽光パネルを設ける構想を打ち出す。設置費用の融資を国に求める。太陽光発電で余った電力を電力会社が買い取る制度を使って返す仕組みだ。

座長に就く三菱総合研究所理事長の小宮山宏・前東京大学総長が、初会議で提案する。会議は8月をメドに震災復興計画をまとめ、必要な支援を国に求める。

小宮山氏は1日、朝日新聞の取材に「毎年の収入で初期投資分を返せば、その後の収入は生活費の足しになる。全戸が一括購入すれば安くなる」と語った。自然エネルギーの普及に弾みをつける狙いもある。

太陽光発電の余剰電力を電力会社が買い取ることを義務づけた「固定価格買い取り制度」は、2009年にスタート。経済産業省によると、電力を1日10キロワット時使う家庭に平均的な太陽光パネルを取りつけると、年間約9万6千円の収入が見込まれるという。

宮城県内では1日までの判明分だけで住宅5万5千戸が全壊、1万2千戸が半壊した。県は約3万戸の仮設住宅が必要と見ており、被災者の恒久的な住まいになる住宅も相当数必要になる。(C)朝日新聞

(空)菅内閣はこのたびの震災対応のため○○会議なる組織を多数立ち上げ、大変評判が悪い。菅へは言いたい事が山ほどあるがこのブログのテーマである太陽光発電とはほとんど無関係なのでここでは止めておく。で、今日の話題は宮城県の組織である「震災復興会議」だ。その会議の座長は小宮山宏・前東京大学総長。その小宮山さんがその会議で、被災地に建設する全戸への太陽光発電設備の設置を提案する、とのことだ。

宮城県は今回の震災で、5万5千戸の住宅が全壊、1万2千戸が半壊したそうだ。公営の復興住宅、そして個人の建て替えの「全戸」に、太陽光発電設備の設置を提案する。全戸、とは大変な規模、金額になる。そしてその設置費用の融資を国に求める、という内容だ。

いったん太陽光発電設備を設置してしまえば、あとは売電により利益が得られる。その売電益が各戸の収入に加算されるメリットもある。

最大の問題は、この太陽光発電設備の資金が融資であることだろう。融資ということはそれを返済しなければならない。いくら売電益があるとはいえ、完全に元がとれるまでには10年はかかる。公営の復興住宅ならいざ知らず、個人住宅の建て替えは少しでも安く住宅を建てたいと思うかたが大半だろうから、融資額、ということは返済額を減らすため太陽光発電は不要、と考えるかたも結構存在すると思う。このあたりをもっとうまく政治的に解決する方法を模索する必要があるだろう。

太陽光発電のある被災者用住宅

2011年05月09日

東日本大震災の被災者向けの、太陽光発電設備を装備した低価格住宅の話題だ。読売新聞サイトの5月7日記事「工期短縮や太陽光発電、被災者向け低価格住宅」から一部を引用する。

東日本大震災の被災者向けに、大手住宅メーカー各社が低価格住宅を販売する動きが広がっている。

部屋の間取りなどを絞り込んで工期を短縮し、コストを抑えることで通常よりも1~2割安く提供している。被災者支援とともに、需要回復につなげる狙いもある。

大和ハウス工業は2日から、被災者向け住宅の販売を始めた。間取りなどを50パターンに限定し、着工から約2か月で完成できる。販売価格は1143万円(約61平方メートル)~1896万円(約134平方メートル)と通常より2割程度安い。太陽光発電システムを装備する場合、発電出力の2キロ・ワット分(約110万円)は、大和ハウスが負担する。

パナホームは、太陽光発電を標準装備した住宅を発売した。仕様を30パターンに限定し、外壁や床、屋根などをパネル構造にして、工期を約1か月半に短縮した。価格は65平方メートルの平屋住宅で1420万円。
...(C)読売新聞

大和ハウスの被災者向け住宅は、通常より2割程度安い上に、太陽光発電システムを装備すると出力の2キロワット分、約110万円分を大和ハウスが負担する、とのこと。いくら住宅が高価なものであっても、大手住宅メーカー側が110万円分も負担する、とは俄かには信じがたい。大和ハウスの英断に拍手!!。なおこの記事によれば、太陽光発電システムの2キロワットの設置費用は約110万円と大和ハウスは見積もっていることがわかる。割り算をすると、1キロワット当たりの設置費用は55万円だ。ずいぶん価格が下がったものだ。一昨年は太陽光発電設備の1キロワット当たり設置単価は70~80万円だったのだから。

なお記事によれば、パナホームも太陽光発電設備を標準装備した被災者用の住宅を発売した。65平方メートル、つまり約20坪で1420万円とのこと。太陽光発電を装備してこの価格は安いだろう。

大手住宅メーカーのこの戦略は、復興需要対応受注と企業イメージアップの両方の観点からのものと思われる。

ドイツの原発停止

2011年05月10日

福島原発事故を受けていち早く原発からの撤退を表明したドイツ事情のレポートだ。毎日新聞サイトの5月9日記事「ドイツ:原発7基停止で、電力輸入国に 「脱原発」先行き不透明」から一部を引用する。

福島第1原発の事故を受けドイツは国内17基の原発のうち7基を暫定的に停止したため、近隣国から電力を輸入する状況になっている。メルケル首相は6月に、原発全廃までの期間などを示す改正原子力法を成立させる構えだが、早期の原発撤退には与党内からも疑問の声が上がっており、「脱原発」先進国の電力事情も先行きは不透明だ。

◇8割依存、仏からも

3月の事故後、ドイツは80年以前から稼働する古い原発7基を暫定的に3カ月停止することを決めた。フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、3月前半まで、1時間に平均350万キロワットを外国に輸出していたが、3月17日に7基を停止して以降、逆に平均250万キロワットをフランスやチェコから輸入する事態になった。

連邦ネットワーク庁のクルト長官は、輸入電力が原発で生産されたものかについては明言を避けたが、フランスは電力の約8割を原発に依存しているため、「原発撤退と言いながら、原発大国から輸入」と皮肉る独メディアもある。

一方で環境省担当者は「自力で供給できる量はある。フランスの電力が安いから輸入しているだけ。欧州の自由な電力市場ではよくあること」と述べ、「輸入国転落」を否定する。

こうした状況もあり、ドイツでは連日、生活に直結する電気料金の値上げが議論の的だ。南ドイツ新聞は「(太陽光発電など)原発に代わるエネルギー確保のため、今後10年間で計2000億ユーロ(約24兆円)が必要」と報じた。具体的に、今後は国民1人当たり毎月18ユーロ(約2200円)の出費増になると伝えたメディアもある。

メルケル首相は6月の法改正で早期脱原発に道筋をつける方針だ。しかし、首相の与党キリスト教民主同盟のブフィエ・ヘッセン州首相は「私たちは、原子力に代わる新たな電力源で将来をカバーできるとの印象を簡単に広めるべきでない」と述べるなど、与党内からも早期の脱原発を不安視する声がある。

ドイツは02年に当時のシュレーダー政権が「脱原発」を決め、当初は2022年までに全面停止の予定だった。しかしメルケル政権は昨年、代替エネルギーの普及が進むまで稼働を最長14年間延長することを決定。だが今回の福島の事故を受け、再び早期脱原発にかじを切っていた。(C)毎日新聞

引用記事最後にあるとおり、ドイツは2002年に2022年までの原発全面停止を決定していた。しかしメルケル政権は2010年、温室効果ガス排出問題対応のため原発稼動を延長することを決定していた。そして今回の福島原発事故で脱原発を宣言した。そして先ず、ドイツ国内の17基の原発のうち、古い7基を停止した。ただし停止は3ヶ月の暫定停止である。

この記事で、ドイツ国内には原発は17基しかないことがわかった。翻って地震国日本では、狭い国土に54基の原発が稼動している。そしてその他に、非常に危険なプルトニウムを扱う再処理工場が2つ存在している。

ドイツの話題に戻ると、この7基の停止でドイツは電力の輸入に頼らざるを得ない状況になってしまった。停止以前は電力を輸出していたのに、停止により電力の安いフランスやチェコから輸入している、とか。そのフランスは世界に冠たる原発大国だ。自国の原発停止で原発大国から電力輸入とは情けない。

もちろんメルケル政権は太陽光発電などの自然エネルギー利用電力を促進するつもりだが、結局は電力料金値上げとなってしまう。試算ではドイツ国民1人あたり毎月2,200円の出費増になる、との予想もあるそうだ。この試算の数字の正確さは不明だが、どちらにしても負担増は確かだろう。

この試算は原発による電力が安上がりという結果だが、果たしてそうだろうか。原発は設計された数十年の稼動が終了すると、停止・廃炉となる。そしてその原発のあった土地の放射能数値が元に戻るまでに、さらに数十年かかる。これは正常に停止しての話だ。ここまでの経費を考えると、果たして原発は安いのだろうか。そしていったん事故が発生すれば、チェルノブイリを見ればわかるとおりその土地に人が再び住めるようになるまでに数百年かかるのだ。

これを考えると、また今回の事故で明らかなとおり人類には原子力をコントロールする能力は無いのだから、ドイツが脱原発を決定したことは正しいし、高く評価する。そして他の電力のための負担増はやむを得ないだろう。そしてもうひとつ考えなければならないことは、人類はいままでのエネルギー浪費社会を見直す必要がある、ということだ。

2050年には再生可能エネルギーによる電力が8割

2011年05月11日

朝日新聞サイトの5月10日記事「再生可能エネルギー、40年後に総電力の最大77%に=国連」から一部を引用する。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日、太陽光や風・水力などを使った再生可能エネルギー発電は、各国で正しい政策が取られれば、2050年までに世界のエネルギー需要の約8割をまかなうことが可能だとする報告書を発表した。

全26ページからなる同報告書は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されたIPCC会合で、各国代表が合意。世界のエネルギー需要に占める再生可能エネルギーの比率は現在12.9%だが、最も普及が進むシナリオでは、2050年までに77%まで引き上げることが可能だとしている。また、その場合は向こう40年で最大5600億トンの二酸化炭素排出量削減が見込めると試算している。

報告書では、再生可能エネルギーは過去数年で急速に普及が進み、コストも低下していると指摘。パチャウリIPCC議長は記者会見で、「風力発電や太陽光発電は特に急増している」と述べた。(C)朝日新聞

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、このブログでも話題にしたことがあるが、地球温暖化防止の活動によりノーベル平和賞を受賞した国連の機関だ。そのIPCCが5月9日に発表した報告書によれば、「再生可能エネルギー発電は、各国で正しい政策が取られれば、2050年までに世界のエネルギー需要の約8割をまかなうことが可能だ」とのこと。

また報告書では、風力発電や太陽光発電のコストの低下により急増していることも述べられている、とのことだ。日本でも太陽光発電のコストはどんどん下がっている。家庭用の太陽光発電設備なら、条件にもよるが1キロワットあたりの設置費用が50万円台も可能な時代になっている。

ノーベル賞を受賞した国連機関の報告書なので信頼性は高いと思う。あと40年で、再生エネルギー発電が需要の8割を賄える、という、この「8割」という数字は想像よりもずっと高い。ただ、それには前提条件が書かれている。「各国で正しい政策が取られれば」という条件だ。これが最大の問題だろう。

この「正しい政策」とは、化石燃料による発電を衰退させるとともに、原子力発電も廃止する政策がどうしても必要になっている。いったんは原発へブレたドイツも脱原発へ戻った。しかし日本においては、これだけの原発事故が起こったのに動きは鈍い。現政権は一番問題の浜岡原発の停止を命令したが、中部電力が堤防を設置すれば再開は可能なのだ。極めて甘い。政治は、目先の電力ではなく、電力浪費社会の見直しから議論を始めるべきだ。

太陽光発電と蓄電池の電源装置

2011年05月13日

太陽光発電装置とバッテリーの付いた簡便な電源装置の話題だ。読売新聞サイトの5月10日記事「」から一部を引用する。

国際産業技術は、5月9日、小規模事業者や個人が利用できるソーラーパネル、ディープサイクルバッテリ、チャージコントローラ、DC/ACインバータなどを組み合わせた実用型ソーラー発電システム「ソラ電1号」を、直販サイト「otto」と秋葉原の直営販売店「ネットワーク専門店」で発売した。直販価格は7万9800円。

「ソラ電1号」は、電力会社の送電とは連携せずに独立して稼働するグリーン電力システムのキット。最大200Wの家電製品を稼働させることができる。

システム構成は、太陽光発電モジュール(ソーラーパネル50W)/架台(キャスター付)/シガーソケット/DC-ACインバータ200W/ディープサイクルバッテリ90Ah/チャージコントローラ/配線。増設用の太陽光発電モジュールは、単体50W(12V仕様)を1万4800円、架台付きを1万 9800円で販売する。また直販サイトでは、構成品の単品販売も行う。

太陽電池モジュールは、年間150MWのソーラーパネル製造実績をもち、ISO9001やCE、ICEなどの国際規格認証を取得した、16%以上の変換効率を持ち、25年経過後も新品時の80%以上の能力を保持するという。

蓄電ユニットには、ディープサイクルバッテリを搭載し、低価格ながら高い蓄電性能を確保する。バッテリの保証期間は2年。太陽光発電モジュールのサイズは、幅835×高さ540×奥行き35mm、重さ5.5kg。(C)読売新聞

太陽光発電パネルとリチウムイオン蓄電池の組み合わせの本格的な電源装置については、このブログの4月5日記事「太陽光パネルと充電装置の電源装置」に書いた。その電源装置は、0.5キロワットの太陽光パネルと2kWhの能力の蓄電池なので業務用といえるが、価格は252万円からと高価だ。

一方、小規模な太陽光発電パネルと蓄電池による同様製品についても、このブログの4月11日記事「太陽光発電のポータブル電源装置」に書いた。その能力は、太陽光発電パネルが出力16ワット、蓄電池は約23Wh、つまり0.023kWhの能力しかない。目的は携帯電話の充電程度で、その分価格は安く、約3万円だ。

今日ご紹介した上記製品は、この後者に近い、そして少しグレードが上の製品だ。太陽光パネルの出力は50ワットで、蓄電池の能力は90Ahとのこと。蓄電池出力が12Vとすると、掛け算で108Wh、つまり0.108kWhとなる。そして価格は79,000円、とのことだ。

この蓄電池はリチウムイオンではなく通常の鉛蓄電池のようだが、「ディープサイクルバッテリ」という蓄電池だ。これは、完全に放電してから充電する、といった使い方に適した蓄電池だ。

この製品、DC-ACインバータの能力は200Wだが、200Wでは蓄電池は30分しか持たない。太陽光発電がフル発電でも、プラス50ワット弱だ。それで79,000円。

このたびの災害で緊急時の電源の必要性を感じた人は多いと思う。しかし、充分な能力を持ち安価な電源装置はまだ存在しない。この分野、今後は大きく伸びるマーケットと思う。

中国電力のメガソーラー

2011年05月16日

このブログでは電力各社の設置・計画の大規模太陽光発電所(メガソーラー)について何回か記事を書いたが中国電力のメガソーラーについては書いたことがなかった。今日はその中国電力のメガソーラーの話題だ。5月13日付けの朝日新聞サイト記事「中国地方初のメガソーラー、全容現す 12月稼働目指す」から一部を引用する。

中国電力(本社・広島市)が、福山市箕沖町の埋め立て地で建設を進める大規模太陽光発電所「メガソーラー」が、全容を現した。...再生可能なエネルギーを生み出す中国地方初の施設で、送電線との接続工事や試験運転などを経て、12月からの稼働を目指す。

「福山太陽光発電所」と命名され、発電出力は3メガワット。昨年10月に着工し、太陽電池パネル1万6544枚を並べるのに今月9日まで約4カ月かかった。パネルの総面積は、マツダスタジアム(広島市)約2個分の約4万5千平方メートルに及ぶ。
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発電所の敷地は、97年に電力需要の伸び悩みから計画を断念した火力発電所の予定地。全体で約20万平方メートルの広さがあり、さらに出力4メガワット分の太陽電池パネルを並べることができる。実現すれば計7メガワットの出力が期待できるが、増設は現時点で決まっていないという。
...(C)朝日新聞

設置場所は広島県福山市の埋立地。出力は3メガワットのメガソーラーだ。

太陽光パネルの枚数は16,544枚で、その太陽光パネル設置面積は45,000平方メートル。ということは、太陽光パネル1枚の面積は、割り算をすると約2.72平方メートルだ。家庭用の太陽光パネルは通常1枚の面積は1.5平方メートルなので、その倍近い面積だ。事実、画像でも、太陽光パネルは通常より大きく見える。

この枚数で出力は2メガワット、つまり2,000キロワットだ。ということは、太陽光発電パネル1枚当たりの出力は、約0.12キロワットとなる。これは驚いた。太陽光パネル1枚の面積は通常の2倍近いのに、出力は通常の6割程度なのだ。このメガソーラーの太陽光パネルは、かなり変換効率が低い製品だ。

メガソーラーは設置場所が広いので、一般家庭の屋根と異なり、設置面積の制約は受けにくい。そこで、変換効率は低くして設置面積を多くして必要な出力を得、そしてコストは低い、という路線を中国電力は採用したのだろう。それにしてもこれだけ変換効率の低い製品はどのメーカーなのか、興味がある。

 
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