2011年4月 | 太陽光発電 何でも情報


2011年4月

太陽光発電のコスト

2011年04月01日

今日は米国の話題。3月31日付の東京新聞サイト記事”太陽光発電、10年でコスト激減 米長官「火力並みに」”から。

チュー米エネルギー長官は30日、2020年末までに太陽光や風力によって一定の電力を得るための発電コストは火力発電と同等かそれ以下になるとの認識を示した。

オバマ大統領が米国の新しいエネルギー安全保障政策について演説した後の記者会見で質問に答えた。太陽光や風力発電は火力や原子力発電に比べて発電コストが高いことが普及の妨げになっている。

特に、太陽光発電のコストは技術の進歩によって急速に下がっており、エネルギー省は20年末の発電コストは現在の半分に下がるのは間違いないとみており、7割超下がる可能性もあるという。
...

米エネルギー長官が太陽光発電の将来のコスト見通しを発表した。あと10年後の2020年末の太陽光発電コストは、現在の半分に下がるのは確実で、7割以上下がる可能性がある、という内容だ。2020年末には現在の3割のコストになる、ということだ。

この見通しに従えば、例えば4Kwの太陽光発電システムは現在は約200万円かかるが、2020年末には60万円~100万円で設置できる、ということになる。

米エネルギー長官はチュー氏。中国系米国人で、中国名は朱棣文。チュー氏は学者で、1997年にノーベル物理学賞を共同受賞している。ネットを調べると、
”科学者としての最近の研究テーマは、エネルギー関連の課題に対処し地球の気候変動を阻止する新たな解決策の追求”
なので、エネルギー長官としてふさわしい人だろう。そのこともあり、今回の発表内容にもかなりの信憑性が期待できる。

このたびの原発大事故にもかかわらず、米国は原子力発電復活路線を修正するつもりは無いようであることは大変残念だ。日本においてはどのようになるだろうか。日本では反原発の市民運動がほとんど報じられていないのは、この運動が低調なのか、マスコミが恣意的に報じないのか、どちらだろうか。後者はもちろんあるとして、前者も意外にありうるように思う。国民は皆、電気大量消費の今の便利さを見直すつもりがあまりないように私は感じているからだ。

自給自足型のエネルギー供給システム

2011年04月02日

このたびの大震災で、被災地には長期間孤立した集落があった。また首都圏でも、地震直後の長時間の停電、その後の計画停電という、電力が供給されずに不便を強いられた状況がある。このような状況でも電気エネルギーを自給できれば、特に孤立集落で電気エネルギーが自給できれば、災害復旧に大きな利点がある。

今日ご紹介する記事は、東日本大震災前の2月23日の毎日新聞サイト記事「自給自足型エネルギー供給システム:太陽光、水車など活用 災害時に効果期待 /岐阜」だ。一部をご紹介する。

(岐阜)県は22日、太陽光や燃料発電に加えて新たに小水力発電を加えた自給自足型のエネルギー供給システムを全国で初めて開発し、郡上市の古民家に導入したと発表した。河川が豊富にある中山間地向けで、普及が進めば、災害時に集落が孤立してもエネルギーを自給できるという。

システムは民間企業やNPO法人と共同で開発し、郡上市明宝にある築100年の古民家に導入した。太陽光発電の最大4・2キロワット、燃料電池の同0・7キロワットに加え、水車式の小水力発電でも最大0・5キロワットを発電する。薪(まき)ストーブも組み合わせた。余った電気は、鳥獣対策用の電気柵へ回す。

県によると、県内の約500集落は災害時に孤立する恐れがある。古田肇知事は22日の会見で「エネルギーを自給自足できるように持っていければ」と述べ、システム普及が進み、災害時に孤立した集落で効果を発揮することを期待した。

古民家は住宅として使われており、実証実験を続けて二酸化炭素排出抑制効果を調べ、データを公開する。3月25日には見学会が予定されている。今後も随時見学会を企画する予定。...

岐阜県郡上市の話題だ。自給自足型のエネルギー供給システムが郡上市の古民家に導入された、とのこと。この自給自足型エネルギー供給システムは次の特徴を持つ。

  1. 太陽光発電システム: 4.2キロワット
  2. 燃料電池: 0.7キロワット
  3. 水車式小水力発電: 0.5キロワット
  4. 薪ストーブ

3つの系統の発電能力は計5.4キロワットにも上る。夜は太陽光発電は使用できないが、残りの2つで計1.2キロワットなので、エアコンを使わなければ十分な発電量だ。

なお太陽光発電で余った電気は鳥獣対策用の電気柵へ回す、とのことでこれは都会の人には無い発想だ。このシステムは完全に自給自足を目指したシステムなので、余剰電力の電力会社系統への売電は考えていないようだ。

岐阜県によると、県内の500集落は災害時に孤立する恐れがあるとのことで、このシステムが普及すれば災害時に大きな効果が期待できる。

もしこのシステムを都会の停電時向けに敷衍するとすると、次のことを検討する必要がある。
(1)余剰電力の売電を可とする。系統連携となるので、停電時に自給システムへの切り替え用コントローラが必要になる。
(2)薪ストーブではなく、省エネタイプエアコン。なお停電時は一部のブレーカーのみON、のようなシステムも必要となるだろう。
(3)バッテリ導入による、夜間の電力供給。これが無いと、停電時に燃料電池システムは動かない。バッテリーチャージコントローラも必要になる。
(4)水車式小水力発電は都会では無理。小規模風力発電が代替になり得る。

自給自足型エネルギー供給システムを都会向けの停電対応にするには検討課題は上記のとおりかなりあるようだ。そもそも都会人は今までのエネルギー大量消費生活を見直す時期に来た、と私は思う。それが、今回の原発事故の教訓の一つだ。

太陽光コンテナをパナソニックが支援

2011年04月04日

今回の大震災に対する企業・団体の支援の話題をこのブログでは2つ書いた。3月29日のシャープの太陽光発電携帯充電装置と、3月30日のそらべあ基金の太陽光パネルを貼ったトラックで支援だ。今日はパナソニックの支援の話題。SankeiBizサイト3月30日記事「【東日本大震災】パナソニック、太陽光発電と蓄電池搭載のコンテナを追加支援」から一部を引用する。

パナソニックは30日、東日本大震災支援として太陽光発電と蓄電池を搭載した「ライフイノベーションコンテナ」を贈ると発表した。

ライフイノベーションコンテナはソーラーパネルと蓄電池を備えており、停電時でも電力を供給できる。サイズは高さ2.9メートル×幅6メートル×奥行き4メートルで出力は平均6キロワット。アフリカの無電化地域での利用などを想定して製品化を目指していたが、被災地の復興に役立ててもらおうといち早く提供を決めた。コンテナは宮城県南三陸町の県災害対策本部に設置される。

同社は既に義援金3億円とラジオ1万台、乾電池50万個、ソーラーランタン4000個などの支援物資を寄付している。

パナソニックが贈るのは太陽光発電と蓄電池を搭載したコンテナ。ミニ発電所のようなコンテナだ。サイズは、高さ2.9m、幅6m、奥行き4mというから、3月30日に書いた上記太陽光パネルを貼ったトラック程度のサイズといえる。出力もそのトラックと同等で、6キロワット、とのことだ。

このコンテナは、そもそもアフリカの無電化地域用に製品化を目指していたものとか。製品化以前に提供するらしい。

当然このコンテナの太陽光パネルは、パナソニックが買収した三洋電機の製品だろう。パナソニックは「乾電池50万個、ソーラーランタン4000個などの支援物資を寄付している」とあるが、これも三洋電機の製品ではないだろうか。

このコンテナは製品化した場合の価格はどれくらいなのだろうか。太陽光発電装置の価格に蓄電池や箱の費用が加わるので、400~500万円だろうか。もう少し安くなったら、緊急災害用に首都圏の団地ごとにひとつ設置すると、災害時に大変役に立つことが想定される。これは自治体がやるべき災害対策かもしれない。

太陽光パネルと充電装置の電源装置

2011年04月05日

朝日新聞サイトの4月1日付の住宅新報社記事「大和ハウス工業 可搬式の電源装置販売 蓄電池と太陽光をパックに」から。

大和ハウス工業は4月1日、リチウムイオン蓄電池と太陽光発電パネルを組み合わせた可搬式の電源装置「ソーラーストレージ」を発売した。

災害や停電の場合に、昼間太陽光発電パネル(520W)で創り出した電力を蓄電システムに蓄える。充電時間の目安は5~6時間。満充電状態で、照明(45W)3灯・携帯電話の充電10台分・ノートパソコン3台を約3時間使用できる。

このたびの東日本大震災や計画停電で、非常時の独立した電源が欲しい、と考えた企業・個人は多いと思う。そのソリューションになりうる製品が発売された。大和ハウスから4月1日に発売された「ソーラーストレージ」がそれだ。この記事では情報不足なので、大和ハウスのサイトを調べたところ、「SOLAR STORAGE(ソーラーストレージ)」販売開始 ページに詳説されていた。以下、この情報に依る。

全体図のとおり、太陽光パネルは2枚。これは、シャープのシリコン単結晶タイプで、260ワット2枚で520ワットの出力だ。この太陽光パネルを載せる架台は、キャスターが付いており移動可能で、重量は41Kgもある。

充電器として使用するリチウムイオン電池蓄電システムはエリーパワー製の「パワーイレ」。通常のAC電源と太陽光パネルの2つの入力が可能な製品だ。2kWhの蓄電池容量を持つが、太陽光発電と組み合わせたときの自立運転時は、システムの安定のために1.1kWhに制限している、とのことだ。

太陽光パネルと組み合わせた自立運転時、つまり停電時、照明(45W)3灯・携帯電話の充電10台分・ノートパソコン3台を約3時間のすべてを3時間、使用可能、とのことだ。この「3時間」は、計画停電の停電時間を意識した時間だろう。

日中なら太陽光発電で発電・充電しながらの運転となるので、もちろん上記3時間以上使用できる。

この製品の価格は、252万円から、とのことなので、高価だ。停電時の(それほど多くは無い)1.1kWhの電力とこの金額が見合いとなるので、一般家庭ではなかなか導入できないだろう。ただ、価格が100万円を切れば、一般家庭への非常時用導入が加速されるかもしれない。

CIS薄膜太陽電池の変換効率17.2%を達成

2011年04月06日

朝日新聞サイト3月31日の日刊工業新聞記事「ソーラーフロンティア、薄膜太陽電池サブモジュールの変換効率17.2%」から。

ソーラーフロンティア(東京都港区...)は、30センチメートル角のCIS(銅、インジウム、セレン)薄膜太陽電池サブモジュールの開口部面積でエネルギー効率が17・2%(同社測定値)を達成した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究業務を推進した結果、同社が2010年9月に達成した16・3%の世界最高記録を0・9ポイント上回った。詳細は6月に米国で開かれる「第37回米国電気電子学会太陽光発電専門家会議」で報告する予定。

CIS(銅、インジウム、セレン)薄膜太陽電池は、太陽電池のその他の種類中の項「CIGS薄膜太陽電池」中に、次のように書かれている。

銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物による太陽電池です。数μmの厚さで良いこと、変換効率が高いこと、劣化がないことが特徴で、次世代の太陽電池のひとつと目されています。

ガリウムの量は可変で、それが0%のとき、CIS薄膜太陽電池、と称する。この太陽電池の一つの特徴は、薄膜なので資源の有効利用につながることだ。参考書によれば、3kWのCIGS太陽電池を作成する際、変換効率を15%とすると、必要となる原料(Cu,In,Ga,Seの合計)は約256であるのに対し、同じ出力を結晶シリコンで得ようとすると15kgの材料が必要になる、とのことだ。

このCIS/CIGS薄膜太陽電池は、実験室レベルでは変換効率20%が可能、とされてきた。この変換効率は、実際の太陽光発電の製品レベルでは、いままではソーラーフロンティア社の16.3%だったが、このたび、17.2%を達成した、とのこと。これは世界記録であり、米国学会で発表するそうだ。

このCIS薄膜太陽電池は、日本では昭和シェル石油とホンダソルテックが量産化している。今日話題のソーラーフロンティアは、昭和シェル石油グループの会社だ。このCIS薄膜太陽電池については、ソーラーフロンティア社のCISページに詳しく説明されている。それによると、薄膜タイプでは変換効率が最も高いこと、また影の影響を受けにくいこと、光の吸収スペクトル幅の広いことが特徴だ。

なお今回の記録達成については同社ホームページのソーラーフロンティア厚木リサーチセンターにおいて 世界最高の変換効率を達成に書かれている。

これぞ日本のお得意の技術、と思う。もう安いシリコン系の太陽電池製造は中国に任せ、日本はこのような次世代タイプ太陽電池の開発を急ぐべきだろう。

「オール電化」は販売休止

2011年04月07日

東京新聞サイトの3月31日記事”「オール電化」販売休止 計画停電で弱点露呈”から。長い記事なので要約部分を引用する。

「エコで経済性に優れている」などの触れ込みで東京電力をはじめとする電力会社が販売に力を入れてきた「オール電化」の商品が、東日本大震災の影響で存続できるかどうかの岐路に立たされている。調理や給湯、冷暖房など全てのエネルギーを電気で賄う「オール電化住宅」は計画停電で不自由な存在に。電力消費量が多いことから、東京電力はオール電化の商品の販売を休止した。

震災後の原発事故で電力供給量が減少し計画停電という事態になってしまった。夏はかなりの電力不足が予想されるため停電は強化されるだろう。この状況で、電気を膨大に消費する「オール電化」が販売休止となった。

一般に、太陽光発電を設置する際はオール電化をセットで導入することが多い。そのほうがエネルギー使用料金が安くなる可能性があるからだ。ただ、私はこの考えに疑問を持っていた。オール電化は深夜電力で給湯設備を動かすため電力料金はそれほど高くならなくて済むが、電力そのものは大量に消費しているのではないか、と思っていたからだ。現在の電力不足という事態で、電力大量消費のオール電化の販売を休止したのも当然だろう。ちなみにオール電化の導入により、電力消費量は原子力発電所2つ分増えた、という記事を読んだ記憶がある。それくらい、オール電化は電力を消費するのだ。

オール電化にはもう一つ、別の問題もあった。それは、エネルギーを電気一つに頼ることの危うさだ。もし電気のほかにガスがあれば、停電中も火は使える。厚手の鍋でご飯を炊けば、電気釜よりは美味しく炊けるかもしれない。オール電化では、停電中はお湯も沸かせないのだ。

私の家は、ガスもある。それも、田舎なのでプロパンだ。話は少しそれるが、今回ほどプロパンで良かったと思ったことはない。地震直後の長時間の停電時にも火が使えたこともあるが、それだけではない。地震後、コンビニやホームセンターからカセットボンベが無くなった。大きな余震に備えて皆、買占めしてしまったのだ。しかし我家はどこ吹く風。家の外には大きなプロパンボンベが2つもあるので、そのガスを使い切ることは数ヶ月かかるだろう。プロパンの家はカセットコンロは不要なのだ。(我家のガスコンロの安全装置は乾電池が電源なので停電とは無関係に火が使える。)

話を戻して、オール電化が販売休止になる話題。それに関連して、こんなニュースもあった。SankeiBizサイトの4月6日記事”「オール電化に対抗不要」 東京ガス344人雇い止め”から。

東京電力が進めていた住宅の「オール電化」に対抗するため、東京ガスの業務委託を受けた会社でガスのPR活動をしていた契約社員と派遣社員計344人が、東日本大震災後に雇い止めを通告されていたことが6日、東京ガスなどへの取材で分かった。

東京ガスは「福島第1原発事故に伴う電力不足が続いており、オール電化に対抗する必要がなくなったと判断、委託を取りやめた」と説明。...

オール電化と闘うガス会社が、自社の勝利が確実となったため、対オール電化戦略のガスPR部隊を解散したため344人もの解雇が発生した、という話題だ。オール電化の休止が、勝ったガス会社側の解雇につながるとは誰も予想できなかったろう。

 
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