太陽光発電はエコ(排出原単位、ペイバックタイム)

太陽光発電がエコ、つまり環境にやさしいことを数値で説明します。

排出原単位

1kW時の電力を発生する際の温室効果ガス排出量を「排出原単位」といいます。


日本の電力全体の平均では、排出原単位は約360g-CO2/kWhです。1kWhの電力を作るのに温室効果ガスを二酸化炭素に換算して360g排出する、ということです。この値は平均であり、火力発電などの化石燃料を燃焼させて電力を発生させる場合、排出原単位は約690g-CO2/kWhにもなります。


片や太陽光発電の場合は、寿命を30年としたとき、多結晶シリコン型太陽電池の場合は28~32g-CO2/kWh、アモルファスシリコン型太陽電池の場合は20~30g-CO2/kWhです。この数値を見ただけでも、太陽光発電が環境に優しい、エコであることがわかります。

二酸化炭素ペイバックタイム(CO2PT)

太陽光発電は稼動中は光を直接電気に変換し燃焼はしませんので温室効果ガスは発生しません。太陽光発電システムのライフサイクルで温室効果ガスを発生すると考えられるのは、製造・設置・メンテナンス・廃棄のときだけです。


ここで「二酸化炭素ペイバックタイム」(以下CO2PTと表記)という概念を導入します。
CO2PT = 想定寿命(年) × 太陽光発電排出原単位 ÷ 通常発電排出原単位


分母の「通常発電排出原単位」は、対象となる発電の排出原単位で、上記の日本の電力平均の排出原単位か化石燃料使用発電時排出原単位の数値です。


CO2PTの単位は年です。太陽光発電が二酸化炭素に換算した温室効果ガスという観点から環境に負荷をかけた分を取り戻す(ペイバックする)年数です。この値が小さいほど環境に負荷を与えない良いシステム、ということになります。


ここで、多結晶シリコン型太陽電池・寿命30年、日本の電力平均の排出原単位の場合で計算してみます。


CO2PT = 30年 × 28~32g-CO2/kWh ÷ 360g-CO2/kWh = 2.3 ~ 2.7(年)


計算の結果、多結晶シリコン型太陽電池のCO2PTは2.3~2.7(年)と計算されました。説明のため、平均を取って2.5年とします。このことは、次のことを意味します。


「多結晶シリコン型太陽電池の寿命30年間に排出する温室効果ガスは、太陽光発電ではない日本の通常方式の発電2.5年分に相当する」
ということであり、わかりやすく言うと
「多結晶シリコン型太陽電池は2.5年稼動で温室効果ガスはチャラになり、それ以降30年までは温室効果ガスの削減に寄与する。」
ということに相当します。

エネルギーペイバックタイム(EPT)

エネルギーペイバックタイム(以下EPTと表記)は、製造から廃棄までのライフサイクル中に投入したエネルギーを発電で取り戻すまでの時間(年数)で、次の式で表されます。
EPT = 製造から廃棄までのライフサイクル中の投入エネルギー ÷ 1年間の生成エネルギー
分母の「1年間の生成エネルギー」は、維持するために投入されたエネルギーは差し引きます。


分子の「製造から廃棄までのライフサイクル中の投入エネルギー」は、廃棄に要するエネルギーはわずかでほとんどが製造時の投入エネルギーと見なすことができます。


このEPT値の単位は年で、この数値が小さいほど性能の良いことを示します。


NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2000年のデータでは、一番多く使われる多結晶型太陽電池で年生産規模が100MWの場合、EPTは1.5年程度です。1.5年あれば投入したエネルギーを発電で取り戻せる、ということになり、このEPTの観点からも太陽光発電はエコであることがわかります。


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