その他の太陽電池(薄膜シリコン、CIGS、CdTe、色素増感、有機薄膜)

シリコン結晶系太陽電池で述べた3種類以外の太陽電池の中で将来性や特徴のあるものとして、次のような太陽電池があります。

薄膜シリコン太陽電池

シリコンタイプの太陽電池の原材料となる高純度シリコンの生産量には限りがあるため、シリコンをできるだけ少量使用する太陽電池が開発されています。そのひとつが薄膜シリコン太陽電池です。シリコンを含むシランガスというガスを放電により分解し基盤上に付着させる、プラズマCVDという手法で製造されます。このシリコンはアモルファスという非結晶状態となっていますが、水素と結合させることで薄くても効率良く発電させることが可能です。ちなみに通常の単結晶シリコン太陽電池のシリコン層の厚さは200μm程度ですが、この薄膜シリコン層は0.5μm以下です。(1μmは100万分の1メートルです。)

以下、高価であるシリコンを使用しない太陽電池です。

ガリウム砒素系(GaAs)、インジウムリン系(InP)太陽電池

高価ですが変換効率が高く高温や放射線に強いため、宇宙用として使用されています。

CIGS薄膜太陽電池

銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物による太陽電池です。数μmの厚さで良いこと、変換効率が高いこと、劣化がないことが特徴で、次世代の太陽電池のひとつと目されています。

カドミウムテルル(CdTe)太陽電池

薄膜化が可能で高効率の期待できる太陽電池です。製造法のひとつの「スクリーン印刷法」は、印刷の手法で製造できるため、低コスト・大面積が可能です。欧米では実用化されていますが、日本では高毒性であるカドミウムのイメージが悪いためほとんど普及していません。

色素増感太陽電池

色素が光を吸収して電子を出すことを利用した太陽電池です。原理的に光合成型といえます。実際、緑色のクロロフィル化合物で作ることも可能です。原材料が安価で単純構造なので安く製造が可能ですが変換効率は高くなく、また耐久性に課題もあります。しかし色素を選ぶことでカラフルな太陽電池が可能となります。

有機薄膜太陽電池

プラスチックなどの高分子化合物(有機分子)は通常電気を通しませんが、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏らの研究により有機分子に導電性を持たせることが可能になりました。そのような導電性のある有機物である有機半導体を利用した製品に有機ELディスプレイがあります。


有機薄膜太陽電池はこのような有機半導体を使用する太陽電池です。まだ研究途上で変換効率は低いのですが、有望な有機材料が見付かればシリコンよりは安いことが予想されるため、一気に普及する可能性を秘めた太陽電池です。

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